漫画202005

巻末はアダルト成分強め

武闘会がやや長め、キャラが多いからね。そして移住がどんどん増える。最終的にはシムシティ

いまいち乗り切れなかった。

20巻が一つの目安ですかね。アニメと映画で、ある程度やりきった感があります。

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鬼滅の刃完結

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  • 今や国民的漫画となった本作が人気のピークで完結したことを受け、ツイッターでは「#鬼滅の刃最終回」「#鬼滅完結」「#鬼滅ロス」など『鬼滅の刃』完結に関するワードが軒並みトレンド入りを果たし、読者からは「唯一の楽しみが終わってしまった」と完結を惜しむ声と共に、「本当にお疲れ様でした!」「最高の作品をありがとうございました」といった賛辞や感謝のメッセージが多数寄せられた。

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20巻で決着なら間延びもなく、名作のまま終わる気もしてきました。

 ほぼ予想通りの完結になりました。

  • 本編は完結したが、本作と共に掲載された「鬼殺隊報」にてスピンオフ短編『煉獄外伝』の始動が報じられた。炎柱・煉獄杏寿郎の活躍が、今後の週刊少年ジャンプで掲載予定となっている。また、7月31日には「JUMP j BOOKS」より、矢島綾による小説版『鬼滅の刃 風の道しるべ』が発売。本作に登場する風柱・不死川実弥の誕生秘話をはじめ、時透無一郎と刀鍛冶の里の小鉄の交流や、伊之助とカナヲの友情秘話を描いた「キメツ学園」のエピソードが収録されている。

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本編終わったら、それぞれのキャラの過去を丹念に掘り下げてほしい。

こちらも予想通りですね。

 

まだまだ熱は冷めないと思いますが、とりあえずの完結おめでとうございます。古参ファンですが、ここまで人気になるとは思いませんでした笑

 

初レビューは2017年の8月、「台詞回しの変な漫画、プロットは王道展開なのだけれど、キャラ力が際立っていて、謎の魅力」という評価でしたが、最後までこの評価は不動でした。やはり漫画はキャラありきだな、と再認識させられました。

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引用:ウォーレン・バフェットはどう動く!?我々はこれからの相場にどう対処すべきか

media.rakuten-sec.net

  • 株価の世界的な大暴落は、一旦は落ち着いている。しかし、30%程度の下げは通常の景気後退期の平均的な下げ率に過ぎない。次は、「2番底」という恐怖が襲ってくる確率は小さくない。

  • この暴落相場を買い支えたのは、各国政府と中央銀行である。相場の世界でマニピュレーション(価格操作)ほど脆いものはない。米国の連銀が不良債権のゴミ箱と化すなか、もう資本主義の市場メカニズムなど誰も信じていないのである。

  • ナシーム・タレブは『反脆弱性』のなかで、「社会を脆くし、危機を生み出している主犯は、〝身銭を切らない〟人たち」であるという指摘をしている。『まぐれ』や『ブラック・スワン』を書いたナシーム・タレブは金融界でのそうそうたる経歴を経た後、現在は文筆業と研究に専念している。

  • 彼は金融トレーダーとして、リスクや不確かさの定量化に関しては常に懐疑的であった。しかし、今日の大多数の人々は「だまされたがっている」のかもしれない。ニーチェが指摘した日々の奴隷的生存および社畜国畜労働に疲れた人々は、「考えたくない」のである。「だまされていた方が楽だ」という気持ちが意識の深部に宿っているのだ。

  • 社会を脆くし、危機を生み出している主犯は、〝身銭を切らない 〟人たちだ。世の中には、他者を犠牲にして、自分だけちゃっかりと反脆(はんもろ)くなろうとする連中がいる。彼らは、変動性、変化、無秩序のアップサイド(利得)を独り占めし、損失や被害といったダウンサイド・リスクを他者に負わせるのだ。そして、このような他者の脆さと引き換えに手に入れる反脆さは目に見えない。

  • ソビエト=ハーバード流の知識業界は反脆さに対して無知なので、この非対称性が着目されることはめったにないし、教えられることは(今のところ)まったくない。さらに、2008年に始まった金融危機でわかったように、現代の制度や政治事情が複雑化しているせいで、破綻のリスクを他者に押しつけても、簡単には見破られない

  • かつて、高い地位や要職に就く人というのは、リスクを冒し、自分の行動のダウンサイドを受け入れた者だけだった。そして、他者のためにそれをするのが英雄だった。ところが、今日ではまったく逆のことが起こっていて、逆英雄という新しい人種が続々と出現している。官僚。銀行家。ダボス会議に出席する国際人脈自慢協会の会員のみなさん。真のリスクを冒さず説明責任も果たしていないのに、権力だけはやたらとある学者など。彼らはシステムをいいように操作し、そのツケを市民に押しつけている。歴史を見渡してみても、リスクを冒さない連中 、個人的なエクスポージャーを抱えていない連中が 、これほど幅を利かせている時代はない」(ナシーム・タレブ『反脆弱性』)

  • タレブ流にいうなら、日本国の政策はさしずめ、「国民にリスクを押し付ける政策」ばかりだ。

  • 今、我々は統制経済と国家の相場操縦の中で相場をやっているのである。

僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう

ディスカッションできる環境

  • 山中 アメリカにいたときは、まさにそういう経験をさせてもらいました。サンフランシスコはボストンと並んで、アメリカの研究の拠点になっていますから、ノーベル賞受賞者や同程度の研究者が大勢います。彼らが僕らのような若い研究者に、非常にフランクに「シンヤ、シンヤ」って接してくれて、自分の研究をちょっと説明すると「素晴らしい研究だから頑張れ」と励ましてくれました。だからそれで自分に研究の才能があると勘違いしていた面もあるんですが(笑)。日本に帰ってからは「こういうやり方はだめじゃないか」という忠告の方が多くなって……それがPADの原因の一つの部分でもありました。
  • 今も毎月アメリカに行っているんですが、アメリカでは、ノーベル賞受賞者、もしくは数年後にノーベル賞をもらうのは間違いない人も、皆で集まって自分の研究データを出してディスカッションしています。アメリカでは、研究者はいつまでも研究者でいられるんです。でも、日本ではノーベル賞をもらってしまうと、ディスカッションの内容が日本の研究のあり方や予算の内容になってしまうことがままあって、研究者が経営者や政治家に変わっていくような感じがすることがあるんです。

 

  • 永田 大学っていうところは、何かを与えられるところじゃないと思うんです。黙って口を開けて待っていれば食べ物を放り込んでもらえるんじゃなくて、自分から食べにいかないと何も得られないところだと思うんですね。大学で教えてもらえることなんて「知識」としては、大したことないんです。大学にいる間に、何よりも自分から何かを食べに行こうという態度を学んでほしいと思うんです。高校までの勉強には、答えが必ずあります。でも社会に出たら正解があることなんて、何もないんです。そもそも、答えがあるかどうかすら、わからないことの方が多い。先生でも先輩でも上司でも、誰も答えを知らない「問い」自体を、自分で見つけなければならないんですね。
  • 山中さんのiPS細胞は二十一世紀の最大の発見の一つです。大学時代ラグビーに打ち込んで怪我をたくさんして、いろいろな回り道をして辿り着いたものがiPS細胞だったわけです。そして、それは、山中さんの「自分から何かを食べにいく態度」がなければ実現しなかった夢だったと思います。

 

様々な物差しが挑戦を支える

  • 羽生 では、挑戦を続けていくために必要なことは何でしょうか。ひとつには、「様々な種類の物差しを持つ」ことではないかと、私は思います。みなさんは、何か新しいことに挑戦するときには、どこかで過去に自分がやった、あるいは他の人がやっていたことを物差しにして、判断しているのではないでしょうか。
  • その物差しには、長いものから短いものまであって、例えば、子どものときに竹馬に乗るために一週間練習して乗れるようになったとしたら、 これは「一週間」という短い物差しを一つ身につけたということです。あるいは、英語がうまくなるために三年間勉強した経験があれば、それは「三年間」という長い物差しを身につけたといえるでしょう。
  • その後、もうひとつ新しい語学を身につけようと思ったとき、英語では三年かかったのだから、最初の半年ぐらいはわからなくても当たり前だ、と割り切ることができます。日々の生活の中で、長いものから短いものまで、たくさんの物差しを持つことが、今後、何かに挑戦をしていくとき、必要以上に不安にならない、考えすぎないために大事な要素になります。

 

  • 永田 逆に、棋士になって、捨てなければならないと思ったことって、何かありましたか。
  • 羽生たとえば子供の時に将棋をやっていて、駒を動かすのが楽しかった時期ってありますよね。そういう楽しさは捨てなければいけませんでした。
  • 永田 それを職業として選んでしまったのですからね。
  • 羽生それで将棋の奥深さのようなものは知ることになるんですけれども、やはり、将棋を楽しんで駒を動かすという喜びは、捨てなければならなかったと思います。また、十六歳ぐらいのことですが、夜中まで対局をすると電車がないので、始発を待って家に帰るわけです。そうすると、通勤通学の人たちがこれから出かけるという中を、自分は逆に歩いて家に帰っていく。なんだか完全に自分は道を踏み外して、違うところにきちゃったんだという実感がありました(笑)。

「しがらみ」を科学する

  • 社会とはしがらみの集まり・・・人々に一定のしかたで行動するように促しているしがらみが、そうした人たちの行動そのものによって生み出されている状態が社会なんだよ。・・・本当のことを言うと、インセンティブ構造という言葉が使いたいんだけど。

 

  • メスの場合には、いくらモテてたくさんのオスと交尾しても、作ることができる子供の数には限度がある。だから、多くの場合、モテる性質が進化しやすいのはオスの方なんだ。
  • 大きくて派手な羽が健康の印
  • こうして、何千世代、何万世代もたつと、派手なハネの雄を好む雌の性質が種の特性として一般化していきます。最初のきっかけは健康のしるしに対しての穏やかな好みだったのが、その好みが増幅されることで、雄のハネがますます大きく派手になり、そして大きくて派手なハネを好む性質を雌がますます強く持つように進化が進んでいきます。
  • その結果、ハネの大きさや派手さは本人の生存にとって望ましくないほど極端になるんだけど、それでも派手なハネは雌にとって魅力を持ち続けるんですね。それは、派手なハネが自分の生む子どもの生存にとって有利だからではなくて、ほかの雌がその性質に魅力を感じているので、派手なハネを父親から受け継いだ男の子が雌たちにモテるからなんだ。
  • だから、仲間たちとの競争に勝ってたくさんの子孫を残す性質が進化したからといって、その性質が本人の生存にとって有利な性質になるとは限らないんですね。

 

  • 実は、教育ママと呼ばれているお母さんたちの多くは、ほんとうはもっとのびのびと子どもを育てたいと思っているのかもしれないかもしれない。だけど、まわりのお母さんが子どもたちに勉強をさせているかぎり、自分も同じように子どもの尻を叩いて勉強をさせることになってしまう。だから、実は受験戦争というのも、予言の自己実現や不況などと一緒で、誰も望まないのに生まれてしまう社会現象としての側面を持っているんだよ。

 

  • 単純な原因―結果という考え方をしないからといって、世の中のできごとについての説明を放棄することにはならないんだよと言いたいんです。
  • 世の中のできごとを説明しようとすれば、まず必要なことは、一人ひとりがどういう原理で行動しているかを知ることだよね。この章で話した例を使えば、いじめのクラスの生徒たちは、安心できれば「いじめ阻止」に参加するという原理で行動している。あるいは、クジャクたちのハネがどう進化するかは、どういうハネを持った子どもの数が増えるかで決まってくる。
  • これが分からないと、なぜある現象が存在しているのかが分かりようがない。進化の原理が分からないと、クジャクのハネがなぜ派手になったのかを説明できない。だけど、進化の原理がクジャクのハネが派手なことの原因じゃあないよね。同じ進化の原理に従って、さまざまな生き物がさまざまなかたちに進化しているんだから。
  • 同じように、生徒たちが傍観者を決め込むかどうかが、「いじめ阻止」に加わってもどれくらい安全かどうかによって決まってくるということが分かっても、それだけではみんなが傍観者にまわるかいじめ阻止に参加するかは分からない。
  • だから、一人ひとり(一羽いちわ)の行動原理そのものは、社会の中で生まれるでき
    ごとの原因にはならない。重要なのは、みんながそうした原理に基づいて行動をした結果、どんな環境が生み出されるかなんだ。
  • たとえば、「いじめ阻止」に何人が参加しているかによって、同じ原理に従っても、参加した方が有利かしないほうがいいのかが変わってくる。あるいは、ほかの雌たちが派手なハネに魅力を感じているかどうかによって、派手なハネの雄を好きになった方が有利かどうかが変わってくる。ということで、「社会」の中での人々(鳥々)の行動を説明しようとすると、一人ひとり(一羽いちわ)の行動原理と、そうした行動原理を持つ人や鳥の行動が生み出しているインセンティブの両方が、どう組み合わさるかが重要だということになる。この二つの組み合わせによって個人の行動が変化するし、その結果、社会環境そのもの(「いじめ阻止」に参加している人数、雌クジャクの好み)も変化する。そうなると、このプロセス全体が原因だと考えざるをえない。これを単純な原因―結果という枠組みで見よう
    とすると「同じことの繰り返し」になってしまうし、場合によっては「心でっかち」になってしまうんだよ。

 

  • 山本七平さんが言っている「空気」というのは、要するに、この本で話してきた「社会」です。つまり、ほかの人たちからの反応を予想してとる行動が、その反応をとるインセンティブを作り出している状態のことです。
  • いま紹介した調査の結果からも分かるように、日本人は協調性があるとよく言われるけど、みんな必ずしも協調的な生き方が好きだというわけではないんですね。協調的に行動している場合でも、必ずしも進んで協調しているわけではない。
  • その典型的な例として、山本七平さんは『「空気」の研究』(文春文庫)という本の中で、戦艦大和の出撃をめぐる大本営での議論をとりあげています。
  • 大和がアメリカ軍に攻撃されている沖縄に向けて出港したのは、第二次世界大戦の末期になって、日本のまわりの制空権を完全にアメリカ軍に奪われてしまった時期でした。そうした状況を正確に判断し、大和が沖縄に到達してなんらかの成果をえる可能性があるかどうかを考える人にとっては、大和が沖縄に到達する前に撃沈されてしまうだろうということは疑問の余地のない結論だった。
  • 大和が属する第二艦隊司令長官の伊藤整一中将もその一人で、大和の出撃に最後まで反対していたけれど、ほかの高級軍人たちは精神論を振りかざすばかりで、論理的な結論に聞く耳を持たない。高級軍人たちが、大和は国民全員が特攻するための手本になるんだという精神論を振りかざしている中で冷静な判断を下しても、そうした判断は無視されるだけじゃなく、精神力が足りない証拠としてまわりの人たちから見下されてしまう。
  • こうした場面で偉い軍人たちが読んでいた「空気」というのは、みんなが友達の間で浮いてしまわないようにと思って読みあっている「空気」と同じ。「空気」というのは、こんなことを言うと馬鹿にされてしまうとか、ここではとてもこんなことは言えないという共通理解のことなんだ。
  • この共通理解の下では、誰も自分が非難されるようなこと、つまり冷静な判断は口にしない。誰もが冷静な判断を口にしないので、多くの人が個人的には冷静な判断を下していても、そうした判断を口にしようとしなくなる。そのため、そうした判断を口にする人間は見下されるだろうという理解に疑いが生じる余地がなくなってしまう。こうした状況を山本七平さんは「空気」という言葉で呼んでいたんだよ。
  • 要するに、予想されるまわりの人たちからの反応に従って行動することで、そうした予想に従わざるをえない状態が生まれてしまうということを、山本七平さんは「空気」という言葉で表現していた。
  • まわりの人たちの反応を読んで行動するという点では、KYという言葉を使っている現代の日本の若者たちも、意味のない作戦を強行した大本営の高級軍人たちも同じ原理で行動してたんですね。
  • こうした高級軍人たちは、この本で「社会」と呼んでいる状態に直面していたわけなんだ。そうした「社会」は、そこにいる人たちにとっては、逆らうことができないけど目に見えない空気のように思えるよね。だけど、そうした状態そのものを作り出しているのは、自分たち自身の行動なんだよ。

漫画202004

ウシジマくんほどエグ・グロくなく、死役所みたいに淡々と、それが逆にゾッとする。

おっさんが殴り合ってるだけなのに面白い漫画。芝原強すぎぃ!

ドラマで頻出する「小賢しい」とかの表現や後半の展開にやや違和感を覚えていた勢としては、原作を読んで非常に納得感がありました。ドラマも名作ですが、物語としての完成度は漫画のほうが上だと思います。

8-9巻での完結が見えてきましたね。

アニメも好評、どのEPが何巻かまったくわかりませんが、羅砂ちゃん派の僕には嬉しいサプライズがありました。仕事場遍歴も面白いです。

相変わらず面白いですが、万人受けしない作風にセガ魂を感じる

最初から最後までめちゃくちゃ。検事長の賭け麻雀で作品に追い風か?笑

日常系でずっとアホやるのかと思ったら、しっかりとストーリー進めたのが意外でした。次回で完結おめでとうございます。

バトルシーンはもう少し軽めにしていってもいいような気がします。必殺技とかないので、同じような展開になりがちですし。

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佐々木敏の栄養データはこう読む!

  • 動物性の脂は総じて血液中のコレステロールを上げます。でも、それはコレステロールが含まれているからというよりも、飽和脂肪酸が多くて不飽和脂肪酸が少ないからという理由のほうが大きいようです。
  • コレステロール・ゼロ」と書かれた(しかもかなり大きく)植物油のラベルに見覚
    えのある人はいませんか? 誤りではありませんが、「ほかの製品(植物油)にはコレステロールが入っているけれど、この製品には(特別に)入っていないから健康によいのだ」という誤解を消費者に与えてしまいそうで、少し心配です。
  • 揚げ物の揚げ油ではコレステロールは上がらないと考えてよいみたいです。日本人がよく使う種類の揚げ油なら、血液中のコレステロールは上がりません。とはいえ、あくまでも、揚げ物も含めた食事全体の総エネルギー (カロリー)は一定という条件つきです。揚げ物に限らず食べすぎは肥満を招き、肥満は血液中のコレステロールを上げる方向に働きます。肥満を防ぐためにも野菜たっぷり。は基本と考えたいところです。
www.ncbi.nlm.nih.gov

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トランス型脂肪酸の化学
  • 脂質(あぶら)は脂肪酸でできています。脂肪酸は炭素を背骨に持つ鎖状の物質です。通常、脂肪酸の炭素同士は互いに1本の結合の手を出し合って結合しています。
  • でも、ときどき結合の手を2本出し合っている場合があります。それぞれ飽和結合、不飽和結合(二重結合)と呼んでいます。不飽和結合が一つでもあれば不飽和脂肪酸、すべて飽和結合ならば飽和脂肪酸です。さらに、不飽和結合の前後の炭素のつながり方は図1のように2種類あります。不飽和結合のところで背骨が折れ曲がるタイプがシス型結合、まっすぐなタイプがトランス型結合です。食品に含まれる脂肪酸の不飽和結合はシス型がほとんどで、トランス型結合の多くは、シス
    型の不飽和脂肪酸を使って工業的にマーガリンやショートニングなどの加工油脂を作るさいにできるもののようです。ほかには、牛乳や牛などの反芻動物の脂にもともと少しだけ含まれています。
  • 興味深いことに、人の体はシス型の不飽和結合しか不飽和結合だと認識しません。そのため、トランス型脂肪酸不飽和脂肪酸としての働かず、むしろ、飽和脂肪酸に近い影響を体に与えると考えられます。さらに、この影響は工業的に作られたトランス型脂肪酸で特に顕著なようです。
飽和脂肪酸との比較

www.ncbi.nlm.nih.gov

www.ncbi.nlm.nih.gov

www.ncbi.nlm.nih.gov

www.jstage.jst.go.jp

 
  • 腐敗の原因となる微生物の多くは、極端な低温や高温では活動できません。しかし、加熱すれば食品そのものが変質してしまいますから、冷やす、つまり冷蔵または冷凍して保存することが、塩を使わない最も確実な食品保存の方法であるわけです。
  • 冷蔵庫がわが国の一般家庭に普及し始めたのは1960年ごろです(図2)。そして、1年には9割の家庭に普及し、8年には3%に達しています。つまり、われわれが日常的に冷蔵庫で食べ物を保存し始めてからまだ半世紀にも満たないわけで、これは、人類の歴史から見れば、ごく最近というべきでしょう。このように、「塩」は、食品を腐敗から守ることによって人類を食中毒から守ってくれていたとてもありがたいものだったのです。なお、「微生物から水を奪う」という点では、乾燥や砂糖漬けなども同じ原理です。

 

  • 生活習慣病対策のために世界全体がとるべき5つのアクション
  • タバコ、食塩、肥満・不健康な食事・運動不足、有害飲酒、心血管系疾患のリスクの低下 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

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ノーソルト・カルチャー

  • われわれ日本人には信じがたいことですが、食塩をほとんど使わない民族の存在が世界で数か所知られています。不思議なことには、アマゾン河上流域の熱帯雨林のなかなど、すべて熱帯に住んでいます。蒸し暑い気候で汗をたくさんかくため、相当量の食塩が必要なのではないかと考えがちですが、これは誤りのようで、食料を長期保存する必要がなかったからという理由のほうが確からしそうです。調味には、食塩の代わりに灰を使うそうです。灰はカリウムが豊富で、カリウムはナトリウムとは逆に高血圧を予防してくれるミネラルです。驚くことに、彼らの血圧は一生を通じてほとんど変わらず(加齢に伴う血圧上昇はなく)(図3)、その結果、高血圧の人はほとんどいません。

日本人にとってとりにくいカリウム。どんな食品からもとることができますが、少しだけくふうが必要です。

  • 野菜を水に浸すと、カリウムは水溶性なので、水に溶けだします。
  • 野菜はていねいに皮をむいて、さいの目や薄切りにしてゆでる習慣が日本にはあります。その結果、表面積が増えてさらに(カリウムは)とけ出しやすくなるでしょう。葉物はゆで汁からあげて水にとり、しっかりと絞ったりもします。これでまた、少しだけカリウムが減ります。そして、ここが最大の問題なのですが、ゆで汁を捨てる特徴があります。一方、西洋の家庭料理では、トマトソースやラタトゥイユのように、煮汁ごと食べてしまうのが一般的ではないでしょうか。
  • 食べたものを調べる食事調査では、なにを(どの食品を)どのくらい(何g)食べたかを尋ねますが、調理法は、その調理時間は、ゆで汁は、というところまで考慮して調査を行なうのは至難の業です。結局、調理をして食べたのに生の値で計算したり、ある決まった調理法を使ったと仮定して集計せざるをえないのが実状のようです。食事調査によって得られた摂取量と、蓄尿によって得られた排泄量との乖離が日本人で目立つのは、「日本人の調理方法がきめ細やかすぎて食事調査の限界を上まわってしまっている」ためかもしれない……ぼくはこのようににらんでいます。
  • ということは、日本人はせっかくかなりの量の野菜を食べているにもかかわらず、カリウムを有効に摂取していないことになります。ていねいに皮をむく、面をとる、ゆで汁を捨てるなどは日本料理のきちょうめんさ、美しさ、味の繊細さを示す誇るべき調理技術だと思います。でも、カリウムを摂取するためには、もう少し大ざっぱなほうがよいみたいです。
  • 日本人のカリウム摂取量は世界の中ではやや少なめ・・・野菜を丁寧に調理したり、お米など穀物を精製すると減ってしまったりと、日本人の調理習慣と食の好みから考えるとなかなか難しい課題を抱えている栄養素でもあるようです。
  • 首都コペンハーゲンに住むおよそ1万3000人の人たちにお願いをして、最もよく飲むお酒の種類とその頻度を尋ねておき、その後、約1年間にわたって総死亡率を調べ上げました典る。 お酒を飲まない人の死亡率に比べた相対的な値として示したのが図2です。三つの曲線は、それぞビール、ワイン、蒸留酒(ウイスキーなど)を表わしています。結果は、「ワインをたくさん飲んでいた人ほど死亡率が低く、このような傾向はほかのお酒では認められない」というものでした。「ワインがよいらしい」というこの結果は、世界中の人々を魅了しました。なかでも、赤ワインに含まれるポリフェノールが効用をもたらす物質の候補としてあげられました。ポリフェノールには抗酸化作用があり、動脈硬化を予防し、その結果として心筋梗塞を予防すると考えられたからです。心筋梗塞を中心とする循環器疾患は、生活習慣病の代表であり、総死亡率にも大きな影響を及ぼします。特に、日本に比べて欧米諸国では心筋梗塞が多く、その死亡率が総死亡率を大きく左右します。パラドックスなどではなく、きちんとした理由があったわけです。しかし、事はそう単純ではありませんでした。
  • ワイン好きの人たちが、ビールや蒸留酒好きの人たちよりも野菜と果物をたくさん食べ、赤身肉と油であげた肉の摂取が少ないことが分かります。ここで言う赤身肉とは、牛や豚など哺乳動物の肉を指し、鶏肉は入りません。哺乳動物の肉には飽和脂肪酸が多く、心筋梗塞の原因になることが明らかにされています。一方、野菜とくだものにはカリウムというミネラルが豊富で、血圧を下げることによって、心筋梗塞の予防効果が期待されます。つまり、ワイン好きの人たちは、ひょっとすると、ワインによってと言うよりも、食べ物の結果として健康を保っていたのかもしれないという考えが浮かんできました。

「お酒≒アルコール」と考えるべき

  • アルコール(化学物質としての名前はエタノール)には、動脈のなかで血液がかたまってしまうのを防ぐ働きがあります。抗凝固作用と呼ばれます。心臓の筋肉に血液を送っている冠動脈のなかで血液がかたまり、冠動脈が詰まるのが心筋梗塞という病気ですから、お酒はその種類を問わず、心筋梗塞を予防してくれます。脳卒中の一種であり、脳のなかの動脈で血液がかたまり、脳のなかの動脈が詰まってしまう脳梗塞も同じです。ワインのなかの不思議な物質よりも、アルコール自体の作用によるところが大きいと解釈されるようです。その証拠として、お酒の種類にかかわらず、飲酒習慣のある人はない人よりも心筋梗塞脳卒中の発症率が低いことが世界中で観察されています。
  • さて、週末にはどのお酒をいただきましょうか。健康のためには、お酒の種類ではなくて、どんな料理といっしょにいただくかに気を配るのが正解のようです。今回は登場しなかったのですが、こう考えると、日本酒はかなりおすすめかもしれません。ところで、今回のお話で「地中海食」や「オリーブオイル」のことを思い浮かべたかたがいるかもしれません。飲むお酒の種類によって健康に差が出るわけではありません。

「ビールだけ避ける」はちょっと的外れ

  • ビール好きにとって気になるのが、痛風→尿酸→プリン体、です。でも、痛風高尿酸血症への影響は、プリン体よりもアルコール(エタノール)のほうが大きく、プリン体をカットしてもアルコールをカットしない限り、根本的な解決にはなりません。さらに、プリン体はビールだけでなく、魚介類や肉類にも含まれていて、これらの食べすぎも原因になるようです。ほどほどのお酒と、魚介類や肉類に偏らない食べ方がカギのようです。
 目の前の高血糖対策にとらわれすぎて生涯の合併症予防をおろそかにしてはならない。
  • 糖尿病の怖さは目の前の高血糖よりも、長い年月をかけてじわじわと忍び寄ってくる合併症にあります。健康な人に比べて心筋梗塞脳卒中といった循環器疾患にかなりかかりやすいということに加えて、目が不自由になる(網膜症)、腎臓が働かなくなる(腎症)、足などの皮膚感覚が鈍くなり切断にも至る(神経症)という三大合併症があります。もう一つ怖いのが低血糖発作です。意識不明に陥ることもあり、放置すればたいへんな事態になります。糖尿病は、「血糖値を下げればそれでよい」といった単純なものではなく、じつはとても複雑な病気なのです。