プライベートバンカー 完結版 節税攻防都市

  • タックスヘイブンがいかに日本で利用されているか。それを示す数字もある。 パナマ文書の電子ファイルを国別で検索すると、日本国内で三百三十八ヵ所の住所(一部は重複、あるいは詳細な住所が不明)が現れる。タックスヘイブンにあるペーパーカンパニーの取締役や株主(一部は企業)の、日本における住居地である。
  • これを都道府県別に見ると、東京都に住所を置く者(企業を含む)がその半数の百六十九を占める。前述の都営住宅や中層マンションの住人ももちろん含まれている。続いて大阪府内が二十四、神奈川県二十二、愛知県が二十一、千葉県が二十、埼玉県十七、兵庫県が十六。それ以外は一ケタだが、北海道、青森から鹿児島、沖縄にまで点在している。
  • 総合すると、タックスヘイブンを活用している個人や企業は三十三都道府県にも広がっていた。言い換えれば、日本のたいていのところに、ペーパーカンパニーの持ち主や株主が存在しているのだ。

 

  • 二十三区別に分けてみる。 港区が五十三と突出しているのは、六本木や赤坂、青山、台場などにニューマネー長者や若い事業家が住み、タックスヘイブンを活用しているからだろう。次いで渋谷区が十六、 世田谷区の十一、千代田区の九と続
    く。二十三区内では墨田区葛飾区以外、すべてタックスヘイブン活用者が住んでいた。