「定理の証明だけが数学に貢献する方法ではない。あなたの研究は数学に新しい問題を提示して、その発展を触発している」
何かで大きな成功をした人は、普通の人にはない特別な才能があるように見えるかもしれない。もちろんそういう場合もあるけれど、普通の人とあまり変わらなくても、積み重ねる確率をほんの少しずつ有利にするだけで、長い目で見て大きな差ができてしまうこともある。
インタビュアー:最近のインタビューで、イノベーションを追求している若者へのアドバイスとして、人まねではなく、基本原理に立ち戻って考えることの大切さを語っていらっしゃいますが、その点についてもう少しお聞かせ下さい。
マスク:僕らは普段の生活ではいちいち基本原理に立ち戻って考えることは出来ません。ソンアことをしていたら、精神的に参ってしまう。だから、僕らは人生のほとんどを、類推や他人の真似をするだけで過ごしているんです。だけど、新しい地平を切り開いたり、ほんとうの意味でのイノベーションを起こそうとするときには、基本原理からのアプローチが必要になります。どの分野にせよ、その最も基本的な真理を見つけ、そこから考えなおさなければいけない。そのためには精神的な努力が必要になるけれど、それが私のロケットビジネスで役立った例をお話しましょう。
ちなみに、ネイピアという名前は、日本ではネピアと表記されることもある。ネイピアはスコットランドの貴族で、その子孫のチャールズ・ネイピアは19世紀に大英帝国インド総司令官になり、ニュージーランドのネイピア市は彼にちなんで名付けられた。ネイピア市にはパルプの輸出港があったので、日本の王子製紙もパルプ工場を建設し、同社のティッシュペーパーなどのブランド名「ネピア」はこれに由来する。
補助線を使った証明を田舎道の風景を楽しみながら自転車で走ることにたとえると、デカルト座標による証明は精密なダイヤで運行される新幹線で移動するように感じる。デカルト座標によって、幾何の研究は牧歌的な時代を終え、効率を重視する近代に入った。
数学の言葉で世界を見たら 父から娘に贈る数学 (幻冬舎単行本)
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大栗さんのサイモンズ賞受賞に寄せて
http://mathsoc.jp/publication/tushin/1703/ooguri-eguchi.pdf
大栗さんと知り合いになったのは,80年代の半ばで京大の修士の学生のころであるが,このころからもう日本中で名前がよく知られていた.あまり評判が高いので修士課程2年が終わったところで東大に助手できてもらった.東大で博士号のない人を助手で取るのは非常に珍しいことである.