セックスと恋愛の経済学: 超名門ブリティッシュ・コロンビア大学講師の人気授業【前半】

 結婚はますます豊かなものが享受する特権になっている。1960年代には、大卒者と高卒者の結婚率は大差なかった(76%と72%)。今日では低学歴者の結婚率は48に落ちたが、大卒者の場合はまだ64%にとどまっている。

経口避妊ピルの普及は婚前交渉の増大をわずかに促しただけとしています。ジェレミーグリーンウッドとネチグナーの推計では、2002年に性体験を持った未婚のティーンエイジャー75%の内、避妊ピルのおかげでそうしたのは1%に満たないとされています。

学費が高いと、若者は進学をあきらめて性行動を活発化しやすいのです。米国の10代の妊娠率が高等教育の学費がもっと安い他の先進国に比べてはるかに高い理由の仮説の一つです。

エコノミストのデビッド・ブランチフラワーとアンドリュー・オズワルドは、この点を研究しました。1万6000人の米国人を対象に幸福度を3段階で自己評価してもらい、性行動が活発になっても幸福にはならないことを見出しだのです。・・・より多くのセックスをすることは人々を幸福にはしますが、より多くのセックスパートナーを持つことは幸福には結びつかないということです。

同性間の関係により寛容だったり同性婚を認める州では、同性愛者は乱交を手控えるようになるのかどうか、です。・・・アンドリュー・フランシスとヒューゴ・ミアロンが研究・・・同性愛に対する受容性が20%増すにつれて、州内のハッテン場はおおむね4ヶ所減ることがわかりました。更に、同性婚を認めない集では、HIV羅漢率は10万人あたり3人から5人増えることが分かりました。

男子学生のほうが多い大学の場合、在学中に少なくとも一人の彼氏がいたことがあるという女子学生の45%が処女ですが、その逆の場合、処女の確率はわずか30%しか無いのです。・・・男子のほうが少ない場合には、女子学生は彼氏にセックスを待たせられなくなるということです。・・・男が相対的に少なくなると、独り身の女性はより性的に活発になるのです。

全学生のほぼ半分がアルコールをガブ飲みしており、残り半分に比べてはるかに危険なセックスをしがちです。例えば、コンドームを使わずにセックスする確率が20%高く、94%が複数の相手とセックスをします。・・・何がガブ飲みを促しているのでしょう。・・・法律によって未成年者はバーでの飲酒を禁じられているので自宅でガブ飲みしてから遊びにくりだすからです。・・・この法律のために、若者たちが隠れて危険な飲酒行為に走っているからです。

アニンドヤ・センとメイ・ロンによる最近の研究では、ビール価格と性病羅患率の関係を調べています。・・・ビール価格が1%上がれば淋病とクラミジア感染症が0.8%減ることが分かりました。

ハレル・チェッソン、ポール・ハリソン、ウィリアム・カッスラー・・・米国ではビール6缶パック当たりわずか20セント酒税を上げるだけで年間にHIV新規感染者を3400人、骨盤内炎症性疾患に起因する不妊を8900件、子宮頸部がんを700件も減らせることになります。

ビサカ・センによる研究・・ビールの酒税を挙げても青年時出産数には影響しないものの、酒税を100%上げると10代の中絶数を7%から10%減らせるとしています。

自分を「平均的」と自己評価する人は男性でわずか29%、女性では26%しかいません。それ以外の人は皆自分を平均より美しいと考えているのです。

心理学者サイモン・チュー、ダニエル・ファー、ルナ・ムニョス、ジョン・ライセットらの共同研究では、女性は平均的な容姿の男性よりもハンサムな男性を、貧しい相手より金持ちを望みますが、ハンサムな金持ちとハンサムな貧乏人から選べるなら、後者を選ぶことがわかっています。・・・浮気を恐れている女性はモテそうな男を避けるということです。

 人は様々な理由で結婚しますが、経済学的な見地から言えば、2つのことに突き詰められます。家庭内の財やサービスを効率的に生産すること、そして悪い時の保険になること・・・家庭内の財やサービスは1人でも生産できたり市場で購入することも出来ますが、二人のほうがより効率的に生産できます。・・・第一に、愛情とセックスです。愛情はともかく、セックスは市場で買うことが出来ます。しかし非常に高価です。直接的なサービス価格の問題だけでなく、性病をもらう危険、購買行動が発覚した際の恥辱や汚名、違法な購入行動の場合には逮捕、そして暴力などです。・・・買春は家庭内でコトを済ませる場合に比べてはるかに非効率的です。・・・月にセックスを2~3階以上する人は既婚者では76%であるのに対し、結婚経験のない人の場合は57%、離婚、別居、伴侶と死別した人の場合は41%です。・・・子供がほしい妊娠可能な異性愛者のカップルにとって、結婚はそれを実現するための最も費用対効果の高い方法です。・・・家事サービス、すなわち炊事洗濯掃除などです。これらを結婚している夫婦のほうが安価に生産できるのは、2国間で貿易をしたほうが鎖国して完全に自給自足するよりも互いに反映できることと同じです。・・・まず互いにどんな味に比較優位性を持っているのかを明らかにしなければなりません。・・・少なくとも理論的には、最も効率の良い結婚とは、互いに優れている点が異なっている者同士の組み合わせです。

別に女性がもともと育児に向いているからではないのです。肉体労働は骨が折れるので男性の方が優位性を持ち、女性のほうが家事労働に相対的優位性を持っていたからです。家事の分担は変わりつつあり、娘を持つ既婚女性も労働力市場に参入しつつありますが、それは知識労働が増え、収入の男女差が縮まったからです。

恋愛を求める男女は、2つの理由で大都市を目指します。人口密度が高いところほど相手探しのコストが安いこと、そして候補人口が多いほど出会いの質が高まることです。・・・将来の伴侶として、あなたには相手に求める最低限の条件があります。これがあなたの伴侶候補に対する留保価値です。あなたはこの価値水準を超える相手とのみ結婚します。そんな相手はめったにいないと分かっている田舎では、そもそも留保価値をとても低く設定します。さもなければ婚活コストが非常に高くなってしまうからです。・・・オンラインでの婚活は低コストなので、留保価値を高く設定するようになるのです。

伝統的に都会の結婚探しで相手探しに苦戦してきた人口集団がいます。高学歴女性です。・・・高学歴女性は男性に自分以上の学歴を求めますが、高学歴男性は女性にそんな条件は求めません。・・・高学歴の男性が高学歴な女性よりも相対的に少なくなったいま、少なくとも一部の女性は、そうした期待(男性に自分よりも良い稼ぎを期待)を叶えられなくなりました。それに連れて相場も変わりつつありますが、その変化は緩慢で、当面は多くの女性が自分に相応しいと思う男性を見つけられずに苦しんでいます。

ロデリック・ダンカンの論文・・・1940年には高卒女性の45%は高校終了未満の男性と結婚し、カレッジ入学以上の男性と結婚した高卒女性はわずか20%でした。・・・昔は高校を終えていない男性でも高卒の妻以上の賃金が得られたのです。・・・だがこの30年、低学歴労働者の賃金が低下する一方で女性の賃上げもあって男女の賃金格差が縮まるにつれて、高卒未満の男たちはもはや高卒の妻ほどの賃金も得られなくなり、・・・

婚活という点では、どんな学歴の女性にとっても垂涎の的である高学歴・高収入男性を、田舎より見つけやすいのです。レナ・エドランドはスウェーデンのデータを使って・・・都市には男性よりも女性住民の比率が高いことが分かりました・・・

女性たちは、どこまで進学するかを考える際に、結婚市場での見込みを考慮に入れているのかしら?伴侶探しを始めた時にはそれなりの年齢に達している高学歴女性は、若い低学歴女性との競争にもさらされるのです。・・・シルベイン・デシーとハビバ・デバリが先ごろ発表した研究はこの問題に取り組み、影響力の大きい職に男性の方が多い理由の一つ・・・女性は後で婿探しに苦労しないように、若いうちに結婚しているから、というものです。・・・進学は、それが結婚の遅れをきたす場合、妊娠可能な数年間を食いつぶしてしまいます。もし高学歴の男性が、高学歴・高年齢女性よりも、低学歴・若年女性を選好するなら、女性にとっては進学せずに若いうちに高学歴の男性を捕まえたほうが得になります。

女性が自分より学歴の低い弾性と結婚してもいいと思うなら・・・田舎で働けるような仕事を都会で見つけた女性にとっては、そうすることが正解かもしれません。最後の可能性は・・・独身を続けるというものです。・・・多くの人にとって、結婚生活がもたらす財やサービスへのニーズは高い収入のおかげで賄えます。

 カーウィン・コフィ・チャールズ、エリック・ハースト、アレクサンドラ・キルワルド・・・親の資産が1000ドル未満の男性の結婚相手をランダムに決めたとしたら、、伴侶の親の資産もやはり1000ドル未満である可能性は、わずか16%しかないはずです。ですが、実際には35%なのです。・・・10万ドル以上の男性・・・39%にとどまるはずです。しかし実際には60%です。・・・伴侶選びを通じて階層分化が進むということは、結婚によって得られるものが所得階層によって異なることを意味していることです。そしてこれが、高所得層のほうが結婚率が高い理由なのかもしれません。

男性と結婚する気がなく、女性のパートナーとの将来を望むレズビアン女性は、他の女性のように自らの人的資本への投資をおろそかにしません。・・・いずれ自分より経済力の高い女性と結婚するのだから自分は家事で比較優位性を発揮すればいいなどとは思っていないレズビアン女性にとって、労働力市場で武器になるスキルへの投資を増やすことは理にかなっているのです。

 数少ない高学歴の黒人男性は結婚市場で高い価値を持ちますが、同時に、希少であるがゆえにカジュアル・デートやセックス市場でも交渉力を持つのです。・・・任意の時点を取れば彼らの婚姻率が低く見えるのは当然です。

セックスと恋愛の経済学: 超名門ブリティッシュ・コロンビア大学講師の人気授業

セックスと恋愛の経済学: 超名門ブリティッシュ・コロンビア大学講師の人気授業