画家にしかなれない人が画家になる

デサップ:画家になれるかなれないかは、すぐにわかります。なぜなら、世の中には画家よりも簡単にお金を稼げる職業がたくさんあるので、本当に絵が好きでなければ、画家を続けられないからです。逆に言えば、画家を続けている人は、たいてい良い画家になります。私も、子供の頃から画家にしか興味がありませんでした。授業を聞かずに、教科書の挿絵を模写していたので、成績も悪かったです。素行も良くなくて、4、5回は退学と転校になっています。親はがっかりしていましたが、どの学校に行っても絵を描くことはやめませんでした。私は画家にしかなれなかったし、画家にしかなれない人が、画家になるのだろうと思います。 

 

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デサップ:私の絵はコントラストを強くとっていることが特徴です。明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗く描くことを意識しています。パリの街を描くときには、ネオン輝く夜景が多いですが、それもコントラストを強めるためです。また、しばしば雨の上がった後の水たまりを描いて、水に反射する光を描くことで、絵の中の光を多くしています。それから、マチエールにも注意を払っています。実際に絵を見ていただければわかりますが、絵具を塗り重ねて立体的にしています。そして、ユトリロが絵具に漆喰を混ぜたように、私は絵具に砂や樹皮を混ぜています。土や木の幹を描くときに砂や樹皮を混ぜることで、本物のように見せることができるからです。 

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