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なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか―――高収益企業になるための5つの実践法

本当の勝ち組企業は、自社を差別化する小数のケイパビリティを経営の中心に置き、それらを巧みに融合させている。これを実現した企業のことを、我々はコヒーレンス(一貫性)を有する企業と呼ぶ。

  • その企業と他社との違いを際立たせるバリュープロポジション(我々はしばしばこれを市場での「戦いのパターン」とも呼ぶが、以下、本書では「価値提供」と表記する。)
  • 特徴あるケイパビリティが相互に強め合い、企業が価値提供を実行できるようにする体系
  • こうしたケイパビリティを活かすように選択された商品・サービスのポートフォリオ 

 2001-2012年に発表された9業界540件の大規模な国際的取引を対象にした研究によると、コヒーレンスに基づいた論理的根拠がある(取得する事業が取得者のケイパビリティにフィットする、またはそれを強化する)M&Aでは、そうではないM&Aと比べて年福利の株主利回りが連結ベースで平均14ポイント高かった。

 イケア(IKEA)という企業名も自身の名前(Ingvar Kamprad)、育った農園(Elmtaryd)、育った村(Agunnaryd)の頭文字から取った。・・・カンプラードは、・・家具の小売価格を抑えるために竜るう業者を介さずに直接メーカーから家具を仕入れるようになった。スウェーデンの業界リーダーらは彼の手法に脅威を感じ、サプライヤーに商品を販売させないようにした。そこで彼は低コストの東欧のメーカーにシフトし、彼の要望する商品カスタマイズに応じる会社から、さらに安価に調達した。

標準産業分類(SIC)は米国行政管理予算局が1997年に多くの項目を更新したのが細心であるが、商品・サービスが当てはまる領域を判断するための従来の境界線を定義する。しかし、ケイパビリティのフィットという観点で見ると、この定義は非常に誤解を招きやすい。例えばSIC。はオートバイと自転車を同じカテゴリーに分類するが、両者では生産方法も顧客層も全く異なり、商品の発売やマーケティングに必要なケイパビリティもまったく違う。・・・ケイパビリティに慎重に目を配らないと、「隣接の罠」に陥る危険がある。つまり成功に必要なケイパビリティが全く違うことを考慮せずに、一見似ている別の商品やサービスに手を広げてしまうのである。

ジェフ・ベゾス・・・「『今後10年で何が変わるか』という質問はしょっちゅう受けますが、『今後10年で変わらないものは何か』という質問を受けたことは殆どありません。私が思うに、実際には二番目の質問のほうが重要です。なぜなら時を経ても変わらないものを柱にして事業戦略を立てることができるからです。」・・・「弊社の小売事業について言えば、顧客は低価格を求めています。これは10年後も変わらないでしょう。顧客は迅速な配送や幅広い選択肢も求めています。10年後に顧客が私のところにやってきて、「ジェフ、私はアマゾンが大好きだ。もう少し価格を上げて、もう少し時間をかけて配送してほしいのだが」と言うとは到底思えません。長い目で見ても正しいと思えることがあれば、そこに大いにエネルギーを注ぎ込むことが出来ます。」

 文化は組織のもっとも一般的な業務運営に影響を与えるが、その多くは公式というよりも非公式で、人々の行動に現れるが、特に意識したり言葉に出したりすることがないものである。暗黙知と同様に文化は管理しようとしても管理できないが、そこには確固とした影響力がある。MIT教授で、企業文化という概念を初めて提唱したエドガー・シャインは「文化の力は強い。それは意識しないところで発動するからだ」と書いた。

「当社(インカグループ)はスーパースターやカリスマ性を持つ人が集まった組織ではありません。当社では行動がC評価のものより、業績がC評価のものに対してずっと寛容です。もし業績が基準に達しなくても、正しい業務と正しい価値観で行動するものには組織からのサポートがあるでしょう。それと同じ考え方で、私たちは好業績の店舗を称えることはせず、好業績の店舗が業績の劣る店舗を助けることを称えます。」

アラン・ケイ「他人、つまりあらゆるライバルがしようとしていることを気にしないようにしましょう。将来を予測する最善の方法は、自分でそれを作り上げることです」と述べた。アンダーアーマーの創業者であるケビン・プランクは最近、この名言を改訂した。・・・「最高の商売人は、何がクールかを予想するものではなく、それを決める者である。」 

ミケランジェロ「大抵の人にとって、より大きな危険は、目標を高く設定しすぎて達成できないことではなく、目標を低く設定しすぎて達成してしまうことである」

 

なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか―――高収益企業になるための5つの実践法

なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか―――高収益企業になるための5つの実践法