デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか
全体的に広く浅くの議論で、いかにもジャーナリストの人が書いたような本、第二部まで読んでストップしました。
いまだ果たされていないのは、労働時間をまんべんなく引き下げられるように生産の成果を均等に分配することだ。それが実現できていないのは、政治的に非常に難しいからである。労働と再分配の持続可能なバランスを編み出すのは想像を絶するほど難しい。特権を享受する富裕層は貧困層を支えるための金銭的負担をしたがらない。
現代の富裕層は自力で財産を築いたものが多く、所得階層の最底辺の人々より長時間働く傾向が強い。その大半が努力してスキルを磨き、リスクを取って、キャリア形成をし、仕事に長時間捧げてきた。どれが欠けても高所得は得られなかったはずだ。
個人の努力に意味がないと言うつもりはない。個人の努力はとても大事だ。だが、個人の努力によって生み出された富は100%、その努力を発揮できた社会のおかげである。
世の中に富を生み出す側と享受する側がいるという考えは、富が築かれる社会的基盤を無視している。
免許が参入障壁となってその分野のプロの希少性を守り、免許がなかった場合よりも報酬を高く保つことにつながっている。しかし免許は濫用されるきらいがある。2012年にルイジアナ州の修道士グループが収入の足しにと手作りした木製の棺を販売しようとしたところ、葬儀施設の免許がないという理由で許可されなかった。
アセモグルとロビンソンの著作は、投票権の拡大は社会不安や革命といった更に危険な結果が生じる可能性を深く憂慮した政治階級による理性的判断だったと結論付けている。
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今後長きにわたって生き残れるかどうかにはそれ以上のものが関わってくる。生き残るには文化が必要だ。成功する起業家は事業の成功を助けてくれる文化を築く。