ハーバード・ビジネス・レビュー 2020年 11月号 [雑誌] (ワーク・フロム・ホームの生産性)

ヨーヨー・マのインタビュー

 

さまざまなリスクを取っているのはなぜですか。

  • 私がやっていることが音楽家として珍しいこととは思いません。
  • 一人の声によるオーケストラと即興演奏で有名なボビー・マクファーリンが、ある日「いま、どんな面白いことをやっているのか」と聞いてきました。
  • この質問は、面白くないことも山ほどあり、そういうことをやっている場合もあるという前提を含んでいます。あらゆる偉大な音楽は発明によって生まれるもの。リスクは付き物ですが、喜んで受け入れるべきです。

子ども時代に得た名声とどう付き合いましたか。

  • 注目されるのは素晴らしいことですが、あらゆる人から常に注目されることはよいことではありません。ずば抜けた才能を持つ若者 たちと話す機会があるたびに、私はこう言っています。「何か一つのことに秀でていたら、それをやり続けたくなるものだけど、 しばらくするとうまくいかなくなるよ。7歳の時にすごいとほめられたことが、30歳になるとすごいことではなくなるから」と。

  • 私は子どもの頃、「君はすごい天才だ」といろんな人に言われましたが、できればそう言ってほしくなかったですね。天才だと言われるのは危険です。健全な自信を持ちながらも、自分を見つめて「うまくできること、できないことは何だろう」と自問自答できるような状態がベスト。そうすれば自分の人生を自分で描き、築いていけるようになります。

ステージに上がる前はどのように準備していますか。

  • 年齢によって準備のやり方が変わってきました。たとえば何か決まったルーチンがあり、「静かな環境が必要だ」と言っているとしましょう。そう言っていても、いろいろなことが起きて、静かな環境にいるのが不可能になることがあります。
  • もしそうなったら、パニックを起こしたり、腹を立てたりして、ひどい演奏をしますか。あるいは、「想定外のことが起きたけど、新しいやり方を楽しんでみよう」と気持ちを切り替えますか。