超越の棋士 羽生善治との対話

  • 「ソフトに影響されて将棋が変わってきたことの一つに、あまり手損を気にしなくなっている傾向があるんです。というのは、ソフトは時系列でものごとを考えないんですね。時系列で考えなければ、手損という概念自体がなくなるんですよ。そのときごとに、その局面ごとに、一番良い手を指そうとするので、損も何もないという。でも、人間は基本的に時系列で考えるので、AIの指し手に違和感も感じるわけです」
  • 「千田さんは、ソフトの評価値をかなりの確率で当てられるらしいんですよ。それは私、凄い職人芸だと思っています」「いや、凄いことです。だって、ソフトの形勢判断に用いているパラメータ(評価関数) って1万くらいあるんですよ。そんな膨大な数のものを、人間が読んでわかるわけがないから、直感的な判断と照らし合わせて、これくらいの数値が出てくると予測できるということですよね。そこにはやっぱり、人間の適応力の高さを感じます」
  • 確かに羽生はかつて、「勝ち負けを決めるだけならジャンケンでもすればいい」と公言したことがある。だがそれも、考えてみれば奇妙な話だった。羽生は将棋史上に残る勝ち星を積み重ねてきた棋士の一人である。格闘技で言えば、最も多くの対戦相手をマットに沈めてきたボクサーのような無敵のチャンピオンだ。その羽生が、勝つことより楽しむことを優先するなどということがあり得るのだろうか。勝負を超越した境地に達しているということなのだろうか。
  • 「そうですね。もちろん結果も大事ですけど、結果と内容が伴って、初めて本当に価値のあるものになるとは思っています」

 

  • 「ええ。また、その頃からいろいろ新しい形や戦法が出てきたということもあるんです。それこそ、最近の久保さんが得意にしている石田流とか、もう、ふざけてるとしか思えないような指し方があるんですよぉ」突然、呆れたような口調になったため、私は思わず噴き出してしまった。だが、羽生の表情は真剣そのもので、一段と声のトーンも高くなっていく。
  • 「いや、ホントに!最初に見たときは、これは初心者の将棋か?本当にふざけてるんじゃないのか?と言いたくなるような新手が、実は真面目に『可能性がある』とされて……あれには本当に呆れましたね。ええ。一昔前の棋士たちがそういう今の将棋を見たら、たぶん怒ると思います。噴飯物ってやつです(笑)」
  • 「変わりました、変わりました。噴飯物と言いたくなるくらい、変わりました(笑)。昔の人からは、違う将棋を見ているようだと思いますね」
    将棋には『王様は動かして囲え』と『王様と飛車は近づけるな』という二つのセオリーがあるんですけど、藤井システムは両方に反しているんですよ。王様を囲わずに、飛車に近づけるという・・・これも噴飯物なんですけど、でも可能性があることがわかって。いやぁ、そうですねぇ……」

 

  • 「大山先生のような(大局観を中心にした)アプローチをする人って、今、いないんですよ。大山先生の場合は棋譜だけ見てもわからないところがあって、私も10代のとき実際に対局してみて、その独特の強さを窺い知れたんですね」
  • 「プロ同士の対局では、単に自分が指したい手を指せばいいわけではないんです。『相手に上手に手を渡す』ことが重要で、実は手を渡され、手番を持たされて、何かやってみろと言われると、凄くキツいんです。先に何かやらなきゃいけないけれど、先に踏み込むと隙ができて、相手にそこを突かれてしまう。そこは非常に難しい部分ですね」

 

  • 「そうですね。この手はダメとか、この手は可能性があるとか、そういう見切り方は・・・まあでも、それはある意味、後から来た人の特権でもあるんですよ。つまり、長く将棋をやっていると、指し手や戦型に対してこだわりが生まれて、『捨てるのがもったいない』と思うようになるんです。自身が一生懸命に蓄積してきた知識を活かしたいと思うから、それを切り捨てることがだんだ
    んできなくなってくるんですね。>サンクコスト
  • でも若い人は『この手はダメだから』とか『時代遅れで使えない』という風に、未練なくバッサリ切り捨てられる。そう見切ることができるのは、若さの強みだと思います」

 

  • 久保「普段の研究が仕事で、対局は趣味だ』とも思うようにしました。対局で盤の前に座ったら、縁台将棋のおじさんたちのように楽しもう、と。好きなことをしているときは、時間が経つのが早いですよね。それを心理学では『ベルグソン時間』というそうですけど、将棋を自分のベルグソン時間にしたかった。指していて、気がついたら夜中になっていて、気がついたら終局を迎えている。でも、まだ終わりたくない……そんな気持ちでやっていこうと考えました」
  •  オンとオフのスイッチはどうやって切り替えていますか。
    「どうやって? まあ、特に意識してやっているわけではないですね。どこまで将棋のことを考えて、どこから考えないかという線引きは、基本的になかなかできません。会社員の人なら、『会社にいるときは仕事で外に出たら仕事は終わり』となるかもしれないですけど、棋士はそういう生活ではないので。ええ。自分なりに、『今は休むとき』とか『今は考えるとき』とか、その時々に合わせて調整している感じですね。凄く疲れていたら休むことを優先するし、元気だったら考えることを優先する、というふうに」
  • 今の将棋は、データを重視する情報戦の側面が非常に強いですが、そのために行き詰まってしまう感覚はありませんか。情報をひたすら頭に詰め込む一方になって、かえって斬新なアイディアや発想、閃きが生まれにくくなる、そんなジレンマを感じることは?「ありますね。ええ、ありますね・・・。創造性もだいじですけど、ただやっぱり、今はデータや情報が非常に重要なので、どちらもやらなければいけないですね」・・・「ただ、必要な情報やデータは入れた上で、その最先端のさらに先に、創造性のあるものを見つけていくという感じですよね」
  • 七冠制覇前後の羽生さんはよく、「将棋と人生は関係ない」「将棋は理論で割り切れる技術のゲーム」と強調していましたね。「あ、それはですね。実はその先があって・・・。私がそう言っていたのは、『甘えになるから』という続きがあるんです」
    なるほど。「将棋が強くなるには人生経験が必要」というのは、逆に遊びを正当化する言い訳にもなる、と。「言い訳にするために、そういう話が出ているんです。だから私は、技術論だと言っていました。言い訳にしてはいけないということも含めて話していたんですけど、毎回、その部分は(報道される際)カットされちゃうんで・・・。誤解を生んでいる可能性はあるかもしれません」
  • よく『プロの将棋は観ていて難しい』と言われますよね。それは一理あるんですけど、違う面もあって、『将棋を覚えたての人のほうが難しい将棋を指している』ということもあるわけです。うん。覚えたての人はメチヤクチャなことを
    やるから、メチャクチャな局面になるんですよ。そこにミスも重なるから、さらにメチャクチャな局面になるんですけど。
    そうなった将棋を途中からプロの棋士が任されて、正しい手を瞬時に選ぶのは、かなり難しいと思います。何というか、綻び(ほころび)だらけだから、どこから手をつけていいかわからないということが必ずあるはずなんです。ある意味、プロはそういう種類の局面に出会わないようにしているからこそ、正しい手を選べるということもあるので......。人間が将棋をよくわかっていないというのは、
    そういう意味でもあるわけです」
  • 「チェスでは(取った相手の駒を持ち駒として再使用できないので)ゲームが進むにつれて、盤上の駒の数が少なくなりますよね。で、終盤のデータベースがあって、確か、残った駒の数が6個になったときの局面は、すべてデータベースとしてできているんです。終盤、駒が6個になった瞬間に、もう、勝ちか負けか引き分けか、オートマチックに出る。7個では難しいらしいんですけど、とにかく今、そういう状況にはなっていますね」
  • その席で羽生が漏らした言葉が、島の脳裏に刻まれている。「タイトル戦って、修学旅行みたいに楽しいものだったんですね」初めて大勝負に挑んだ初々しさが伝わってくるが、これは同時にまた、島がいかにフェアで潔いスタンスで羽生と対していたかを示す発言でもあるだろう。盤外戦や心理戦が駆使され、ときに挑
    発的な言葉が飛び交うなど、対局以外でもピリピリと緊張した雰囲気になる従来の戦い方は、島とは無縁だった。なりふり構わず羽生を倒そうとするのではなく、むしろ羽生が力を出せるように気を遣っていたような節さえ窺える。
  • 実力の世界において、曲者なのは人間関係です。プロは皆、凄腕ですから、不用意な言葉を口にして恨まれたり、『こいつには絶対に負けられん』と思われたりしたら、最後まで頑張られてしまってなかなか勝てません。羽生さんは若い頃から、そんな言葉の怖さを十分に知り尽くしていたと思います。格を決め合う世界では、『この人には負けてもしょうがない』と思わせる相手を一人でも増やすことが大事ですよね。短期的に勝つことにほとんど意味を見出さず、長く勝ち続けるためにどうするかということを、打算ではなく、自然と身に着けていったのではないでしょうか」
  • 森内「若いときは、自力で勝ちたい気持ちが強く、直接的な手を指したがるものです。手を渡す手は、相手が迷って間違えやすくなる効果がありますが、相手か任せのような面もあり変化球的な要素が強いので、しかたなく使う感覚がある。私は豪速球で勝つことに憧れていたので、相手に選択肢を与えたくなかった。でも、いつもそうはいかないので、年令とともに手渡しの重要性を理解して身につけてはいきました。それを15歳の少年(藤井)が前向きに取り入れている。将棋をよく知っているんでしょうね」

経済数学入門の入門

  • 数式に頼らずに推論を行う方法の一つが作図です。経済学において、あえて数式を用いずにグラフを描いてみることは、経済現象を内側から身体で理解するための大切な作業なのです。
  • 通常の数学では、ある関数のグラフを描くときには、インプットの変数を横軸に、アウトプットされる変数を縦軸に書く習慣がありますよね。・・・通常の数学と異なり経済学では・・・価格は常に縦軸に、数量は必ず横軸に取るのです。・・・需要関数・供給関数の考え方を広めたのは、イギスの大経済学者アルフレッド・マーシャルでした。・・・価格を縦軸に取ることで、様々な分析がより直観的で容易になります。
  • ラグランジュ乗数法・・・ここでλ(ラムダ)が必要になるのは、・・・単位を揃えるため・・・所得や支出がお金の単位であるのに対して、効用関数は・・・意味の分からない単位であるからです。・・・一階の条件は、あくまでも必要条件を与えるに過ぎないということです。
  • ドヴリュー理論の思想を一言で説明すると、均衡の存在には「連続性」が大切だということになります。・・・ある経済の構成要素がすべて連続であるならば、需要曲線と供給曲線も(目には見えない超高次元の世界において)連続になるでしょう。だとすれば、2つの曲線はどこかで交点(数学的には不動点)をもつはずです。
  • 現代的なマクロ経済学には物理学の分析手法が多く現れますが、これはどちらの学問領域も、目的関数を最適化しつつ時間とともに変動する変数の動きを追跡する学問であるから自然なことです。・・・物理学の分析対象は過去から未来へ流れる時間の中で活動しているのに対して、マクロ経済学の分析対象は未来を予想して現在の動きを決める、逆行した時間の中で意思決定を行うことです。この点で、マクロ経済学のほうが物理学よりも「難しい」問題を解いていると言えます。

    ミクロ経済学入門の入門

    • 経済学は社会科学の諸学問のなかでは、数学を最もよく活用する。そうなった理由は単純で、経済学が扱う対象には、財の量、価格、費用など、数字で表されるものが多いからだ。これがたとえば政治哲学のように、社会のあり方を根本から模索したり、テクストを深く読み込む作業の比重が大きい学問だと、そのようにはいかない。
    • 数学は論理展開が明確であることに特化した、かなり特殊な言語だ。これを活用できると理展開がクリアーになり、ミスを避けやすくなるから便利だ。だから経済学には式を立てて問題を解くといった分析がたくさんある。19世紀前半にフランスのクールノーという数学者が寡占市場の研究を発表して、それが19世紀後半での経済学と、20世紀なかばでのゲーム理論の発展に大きな影響を与えた。そしてそれらの発展においては数学的な定式化が重要な役割をはたした。
    • そもそも数学を多用する経済学者も、最初は分析の対象を図でイメージして、そこから得られる直観を数式の形に表していくことが多い。通常の自然言語で分かった気になっていたことでも、作図をしていくなかで、案外分わかっていなかったと気づくことも多い。そしていったん作図に成功すると、その図を眺めているうちに、「こういうことか」と新たな発見に気づきもする。要するに作図は、議論の理解と進展に極めて有効なのだ。

    狙い撃ち課税はなぜダメか

    • 従量税は、たばこをはじめ、お酒やガソリンなど、特定の財に狙い撃ち的にかけられるのが特徴だ。狙い撃ちされた側は、ときにそれをかわすべく、本来なら不要であるはずの技術を開発して対応する。
    • 酒税を例にあげてみよう。1990年代に、発泡酒という、ビール風のアルコール飲料が開発された。発泡酒はビールと比べると麦芽率が低く、酒税が定めるところのビールの定義を満たしていない。よって、生産者はビールにかかる酒税を逃れ、安価に販売できる。だが、政府としてはこの事態は見過ごせず、2003年には発泡酒にも一定の酒税がかかるようになった。それを受けメーカー側は、さらに原材料を変更した「第三のビール」を開発し、またもやビールや発泡酒への酒税を逃れるようになった。そして2006年には酒税法が変更され、第三のビールへも一定の酒税をかけるようになった。2016年の時点で、350mlの1缶あたりの酒税額は、ビールは77円、発泡酒は47円、第三のビールは28円となっている。なお、
      この年に政府は、今後は税額をすべて55円へ統一していく方針を発表した。
    • ビールへの従量税が与えた社会的損失は、死荷重だけではない。そもそも発泡酒第三のビールは、酒税法が定める「ビール」の定義に当てはまらぬよう、メーカーが技術開発して作製した劣化ビールのようなものだ。この技術開発にはもちろん費用がかかっている。税を逃れるための費用であり、これも従量税が与えた社会的損失の一種だ。この技術はそのときの日本の酒税法のもとでは有効だが、
      日本の酒税法が変われば、あるいは酒税法が違う他国では、そうではない。他の技術開発に使えたはずの投資費用が、徴税当局とのいたちごっこに費やされた
      ともいえる。特定の品目を狙い撃つ従量税は、死荷重以外にも、こうした社会的損失を生みやすい。

     

    • ある財がギッフェン財であるというときには、僕にとっての格安パスタのような個人レベルではなく、集団レベルでの需要についていう。ある財がギッフェン財だとデータから確認されることは非常に珍しい。ペンシルヴェニア大学のジェンセン教授とイリノイ大学のミー教授らは、中国の湖南省での米と、甘粛省での小麦がギッフェン財だとの調査結果を報告している。

     

    • 「優勝劣敗」という言葉がある。文字通り、優れているものが勝ち、劣っているから敗けるという意味だ。だがネットワーク外部性が強い市場においては、優勝劣敗が実現するとはかぎらない。優れていようが劣っていようが、先にナッシュ均衡の座をつかむことが勝ちだからだ。
    • 日本では「ものづくり」という言葉が好まれる。だがネットワーク外部性が高いサービスにおいて、製造業的な「ものづくり」は必ずしも重要ではない。サービスを人が人を呼ぶ軌道に乗せることこそが、あるいは標準規格の座を射止めることこそが、ライバルとの競争を勝ち抜く唯一にして最良の手段だからだ。機能の優れた商品が勝つとは限らないことをネットワーク外部性は教える。

    ユニクロでLINE Pay(ラインペイ)を使う方法

    はじめに

    ネットでユニクロ・ラインペイをググると、以下の誤った情報がヒットしたので、やり方を解説します(すぐに内容を大手のアフィリエイトブログにパクられそうですが)。

    早速ですが、ユニクロでLINE Payは使えません。またユニクロでLINE Payが使えるようになるといったニュースはありません。

    ユニクロでLINE Pay(ラインペイ)は使える?使えない? | マネープレス

    やり方

    たしかにユニクロの店頭でLINE Payを使うことはできません。しかし、以下の方法で決済することが可能です。

    1.ユニクロ公式オンラインストアにアクセスする。

    いきなりですが、ここで、直接ユニクロオンラインストアにアクセスするのは悪手です。最新のポイント獲得手段は、ポイントバックサイトを経由することです。たとえば楽天が運営しているRebates経由でユニクロにアクセスすると、後日購入金額の1%がポイントバックされます。

    www.rebates.jp

    LINEストアを使っている人は、LINEストア経由でもLINEポイントを1%獲得することができます。

    2.普通に買い物する。

    Rebates経由でアクセスしたあとは、普通にカートに商品を追加して、決済画面まで進んでください。合計金額が5,000円(税抜)未満の場合、送料がかかるので、合計金額を5000円以上にするか、5000円未満でも送料が無料の店舗受取りを選ぶのがおすすめです。

    3.後払いを選択する。

    ここが大事です。支払い方法で後払い(NP後払い)を選択してください。後払い手数料は0円なので、支払総額が増えたりはしません。

    4.請求書が郵送されてくる。

    後日請求書が郵送されてきますので、商品を到着・受け取ったあとに支払いを行いましょう。ここで重要なポイント(僕は勘違いしていた)ですが、この請求書をコンビニに持っていっても、基本的に現金でしか決済はできません(ファミマのみ、ファミマTクレジットでクレジット決済が可能)

    なんだなんだ、話が違うじゃないか。ラインペイが使えるんじゃないか?と思ったあなたは一旦落ち着いて、公式ブログにアクセスしましょう。すると、

    電気料金などの公共料金や、通販などの請求書に記載されているバーコードをLINE Payのコードリーダーで読み込むと、LINE Payの残高で支払うことができます。

    と書いてあることに気づきます。はい、もうコンビニに行かなくていいんですね(というか行っちゃだめ)

    ということで、ブログの記事にしたがって、

    1. 請求書支払いをタップ
    2. バーコードリーダーでスキャン
    3. 支払いを行う

    これで、ユニクロの商品をラインペイで決済することが可能になります。

    pay-blog.line.me

    ちなみに6/30までは請求書支払いクーポンで500円OFFという、やたらお得なクーポンが配布されていますので、試すなら早いうちがおすすめです。今後も定期的に配ってほしいですね笑

    f:id:yamanatan:20190609014712j:plain

    最後に、このスキームを活用すると、トータルでどれくらいお得かを比較しておきましょう。仮に、5000円の商品を購入する場合、

    • ユニクロ店頭で5000円の商品を現金で決済:5000
    • ユニクロ店頭で5000円の商品をクレジットカード(1%)で決済:4950
    • ユニクロ店頭で5000円の商品をKyash(2%)+クレジットカード(1%)で決済:4850
    • Rebates経由(1%)でユニクロオンラインストアで5000円の商品をKyash(2%)+クレジットカード(1%)で決済:4800
    • Rebates経由(1%)でユニクロオンラインストアで5000円の商品をラインペイ(3.5%~5%:通常時)で決済:4775~4700
    • Rebates経由(1%)でユニクロオンラインストアで5000円の商品をラインペイ(15.5%~17%:キャンペーン時(2019. 6/1-9))で決済:4175~4100
    • Rebates経由(1%)でユニクロオンラインストアで5000円の商品をラインペイ(15.5%~17%:キャンペーン時(2019. 6/1-9))+クーポン使用(-500)で決済:3675~3600

    ※厳密に言えば、NP後払いサービスも独自ポイントを持っているので、NPポイント分もお得になります。

    まとめ

    ラインペイの請求書支払いを利用したスキームは、通常時はそこまで恩恵を感じませんが、キャンペーン時やお得なクーポンが配布されているときは、劇的に支払い金額を少なくすることができますので、覚えておきたいテクニックです。

    また、ポイントバックサイトを利用した還元率アップのスキームはネットショッピングの基本戦略ですので、しっかりと活用したいところです(とくに高額利用時)。

    Orico Card THE POINT PREMIUM GOLDを契約している場合は、オリコモール経由の購入にすべて1%が加算されますので、ポイントバックサイトと比較した上で、最も高い還元率のサイトを経由して購入することも意識しておきましょう(上記の例だと、Rebates経由の代わりにオリコモール経由にすることで、還元率を1%から1.5%に増やすことができます)。なお、オリコカードなどのクレジットカードを作る際は、かならずげん玉などのポイントサイトを経由して作ることで、公式HP経由よりも高い還元を受けることができます。これも覚えておきたいテクニックです。

     

    漫画201906

    もうランク戦だけで無限に書けますね。頼むから長く続けてください。文句なしの5点。単細胞なお決まりオレツエープロットの人たちは、みんなワートリ見て勉強しましょう。

    ありきたりのプロットですが、本巻はドンパチやってるだけだったので意外にさらっと読めてしまいました。(主人公サイドが強すぎるので)バトル場面のテンポがいい(&爽快感がある)のは、オレツエー系の特長のような気がします。3点

    絵が可愛い&萌えなだけで、あまりおもしろくないなと思っていたんですが、本巻はかなり笑い成分が増量されており、ギャグ漫画としての完成度も高かったです。4点

    とにかく出し惜しみせずにテンポよく進むのがいいですね。原作知らない(原作の記憶がない)と置いてけぼりになることも多々ありますが、いい娯楽作品です。黒沢さんのおまけマンガはひどすぎましたが・・・(笑)4点
    オレツエーラノベとは一線を画する重厚なプロット(比べることがすでに失礼)、分かりやすい単純な善悪二元論に堕しないところがすばらしいですよね。4点
    ゴブリンをスレイしないだと(驚愕・・・。日常回いいっすね。5点
    過去編ってなぜか盛り上がります。3点
    スピンオフなので、過度な期待はしません。2点

    定期告知

    漫画を大量に買うなら、豪邸に住んでいない限りkindle一択です。無印kindleは容量と解像度に問題があるので。Paperwhiteがおすすめです。

      

    aaaaa

    ハーバード×脳科学でわかった究極の思考法

    ハーバード×脳科学でわかった究極の思考法

    ハーバード×脳科学でわかった究極の思考法

     
    • アインシュタインピカソは互いに会ったこともなかったが、ふたりとも数学者、物理学者、哲学者のアンリ・ポアンカレの影響を強く受け、アインシュタインは自身の研究グループ、ピカソは前衛的な文学者仲間たちとポアンカレの理論について議論を交わした。アインシュタインポアンカレの見事な数学理論や科学理論を発展させ、独自の相対性理論を思いついた。ピカソも、すべてのものを同時に見ることができるポアンカレの4次元のアイデアについて聞くと、刺激を受けた。彼の絵画作品『アヴィニョンの娘たち』は、ひとつの顔をふたつの視点(正面と横)から同時に描いている。まさに4次元だ!
    • 創造力を発揮しようとするとき、一般的に脳は未知のものへの不安、不確実性に対する抵抗、問題の規模に対する恐怖、問題自体の難しさという4つの要素と戦う。この4つの要素は目に見えることもあれば見えないことも、意識されることもあればされないこともある。

    「しくじり体験」をオープンにすれば学びはどんどん豊かになる

    • 「ファックアップ・ナイト」は、2012年にメキシコで始まったイベントだ。
      ある晩、友人どうしが数人集まって、テキーラを飲みながらお互いのビジネスについて語りあった。それまで、彼らは自分たちの失敗についてじっくりと話しあったことがなかったが、話しあってみると意外と面白くてタメになると気づいた。そこで彼らは、失敗についてみんなで議論し、他者の成功ではなく失敗から教訓を学ぶ月例のイベントを開始。毎回3,4人の起業家がひとり7分、画像10枚以内でみずからの失敗談を手短に語っていく。
    • 失敗談がこれほどオープンに語られるばかりか、楽しく語られるというのは、ふつうでは考えにくい。なんといっても失敗を認めるのは難しいし、恥ずかしい。それも、失敗は珍しくない。・・・新興企業の30-95パーセントは失敗する。
    • 失敗したのは自分ひとりではないと知れば安心するし、他者の失敗から学ぶことはタメになる。これこそ「動的学習」の意外な特長のひとつだ。ありもしない正攻法に従うのではなく、ミスを認め、話しあい、教訓を学び取り、間違いを修正していく。世の中には成功マニュアルなるものがあふれているが、どれも一握りの人々にしか通用しないものばかりだ。さらには、正しい、学習方法を説く専門家までいるが、人間の脳はひとつとして同じではない。「ファックアップ·ナイト」はそうした専門家のウソを暴くのに一役買っている。
    • 失敗はすべてを放り出してあきらめよというサインではなく、学習のチャンスであるというのが昨今の考え方だ。早めに失敗し、失敗を糧にし、完璧を目指すよりもまず行動することが大事だと理解している限り、心の停滞を避け、失敗の恐怖に打ち克つことができる。

     

    • 私たちは固定的な成績(Aプラス、Bマイナス、可/不可など)、職業上のアイデンティティの狭い定義(「私は消費者製品のマーケティング担当責任者」)、そして何より過剰な専門化(「私は健康・美容系の消費者製品のマーケティング担当責任者」)に別れを告げるべきだ。そして、教室のなかだけでなく毎日が学習だという考え方を受け入れるべきだ。あなた自身、他者、物事への理解を深めようとしているときは、常に学習していることを忘れてはならない。
    • 従来の学習スタイルを、特定の情報だけを狙って突き刺すフォークと考えてみよう。フォークの機能は「集中」型、つまり明確で直線的だ。もちろん食卓には欠かせない。しかし、動的学習ではスプーンも使う。スプーンがなければ、お椀の底に残ったうま味のある汁や細かい具はすくえない。どちらもはっきりとした形はないが料理にとっては重要な成分だ。
    • 直接フォークで突き刺せないものはすべてスプーン(非集中)の仕事だ。たとえば、問題をクリエイティブに解決したり(水平思考)、関連づけを通じて類推を行ったり、未来を予測したり、軌道修正をしたりするのが非集中の得意分野だ。そう考えると、DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)が脳内の代謝エネルギーを特に多く消費するのも不思議ではない。
    • あるやり方が普及する前には、必ずそのやり方を発明した人がいる。あなたがもういちど人生に呼び戻さなければならないのは、この発明家というペルソナ、
      つまり何かを最初にやってみる人物だ。「コンピューター・プログラミング」が学校の科目になるずっと前、初めてプログラミングを行った人物や、ボイスレッスンが発明される前に歌を歌っていた歌手を想像してほしい。彼らの才能は学校で教わる知識によってつくられたわけではない。そもそもそんな知自体がなかったのだから。彼らに必要だったのは自分の頭で考えることであり、教育で失われてしまうのは私たちのそういう部分だ。
    • 私たちは生まれつき創意工夫で世界を変える力を持っているが、学校で教わる知識のせいで、いつの間にかその創意工夫の能力を失ってしまう。この「知識」が私たちの思考を乗っ取り、何かを理解しようとするときの唯一の道具になる。もちろん知識は役に立つものだが、創意工夫がなければその価値は一気に薄れてしまう。教育は、創意工夫を抑えつけるのではなく解き放ったときにこそ、最高の力を発揮するのだ。
    • ワックスマンはかつてこう述べたことがある。「音楽と料理には深い関係がある。どちらにもコツコツとした練習が必要だ。ひたすら叩いてみたり、切ってみたり、さばいてみたりしないと、本物にはたどり着けない」この2種類の芸術を楽しむ彼の心の根底には「いじくり回し」があった。
    • 2010年、グーグルの共同創設者のひとりのセルゲイ・ブリンは、「私たちはグーグルを右脳、左脳に続く第三の脳半球にしたい」と述べた。・・・彼は脳に大量の情報を格納するストレスを和らげるためにグーグルを活用してほしいと言いたかったわけだ。グーグルのサイトに情報の記憶を肩代わりさせることで、私たち自身の思考装置(つまり脳)のスペースを他の物事のために空けてはどうかと提案したのだ。つまり、新たに空いた脳のスペースを使って、脳のバネをもっと有効活用したり、あなたの心の重心や創意工夫の声に耳を傾けたりしてみてはどうだろう。ぜひあなた自身と機械との関係を積極的に形づくってみてほしい。自動化できる部分はないか?機械とチームがつくれないか?テクノロジーや機械に任せられる物事はないか?過度に依存しているテクノロジーはないか?機械を使って時間をもっと効率的に管理できないか?

    「感情的なふてくされ」を脱し、自分自身に正直でありつづける

    • 可能性マインドセットを持つうえで重要な要素のひとつは、自分自身に正直になることだ。もちろんがんばりつづけることは大切だが、がんばっていればいつか報われると信じて、がんばること自体を目的にしてしまうのは、偽物の楽観主義と同じくらい無意味だ。
    • 家でも職場でも、目標をアピールするのではなく本音を語れば、まわりの人々は本当のあなたに寄り添ってくれる。このちがいは微妙だが重要だ。あなたが説得しようとしている相手(配偶者や職場の同僚)を意識すれば、相手がいちばん興味を持ってくれそうな形であなたのメッセージを伝えることはできるだろう。しかし、そもそもそれが本心から出た正真正銘のメッセージでなければ、あなたが行き着く先はせいぜいあなたにそぐわない場所、あなたが望まない場所にしかならないだろう。
    • とりわけ不満を抱えていると、誰か別の人の言葉に頼りたくなる。ひどくすれば、「私にはもっとすばらしい人生がお似合いなはず」「いつまでもこんな状況に我慢する必要なんてない」というお決まりの自己暗示にすがろう、としてしまう。しかし、こうした言葉はむしろ私たちの力を奪い取る。私はこれを「感情的なふてくされ」と呼んでいる。真の自尊心から出る言葉ではない。
    • 2010年、心理学者のチャールズ・S・カーヴァーらは、マイアミ大学の学生たち
      に、自尊心、挫折、自制心に関するいくつかのアンケートに答えてもらった。この調査では、2種類の自尊心が測定された。正真正銘の達成感や何かに対する心からの欲求を抱く「真の自尊心」と、傲慢さや自信過剰から生じる「思い上がりの自尊心」のふたつだ
    • 真の自尊心が強い被験者ほど、目標を達成したときにエネルギーや幸福を感じられると回答した。また、彼らのほうが自分自身の注意を制鎯する能力や自制心が高いことも判明した。一方、思い上がりの自尊心が強い人々は、怒りっぽく直情的だった。

    「外的報酬」と「内的報酬」を使い分ける

    • 望むものが手に入ると、脳は報酬を感じ、報酬系の活動が高まる。しかし、この報酬系にはふたつの部分がある。自分自身の内側から生じる報酬、つまり「内的報酬」を感じる部分と、他者から得られる報酬、つまり「外的報酬」を感じる部分だ。真の自尊心を持つ人は内的報酬を得られる。外的な基準や他者の褒め言葉だけに着目するのをやめて、あなた自身の達成感や喜びを道しるべにできるようになる。外的報酬(褒め言葉、お金、昇進、プレゼント)への欲求は、脳の内的報酬系を傷つける可能性もある。内的報酬系の活動が低下し、外的報酬によって得られる快感は長続きしなくなる。
    • 目標に向けて一歩ずつ前進していく可能性マインドセットでは、大きな不確実性のもとで目の前の道を歩みつづける手段が必要になる。
    • そんなとき、脳のコンパス代わりとなるのが内的報酬系だ。内的報酬系は現状に満足し、自分自身に正直でありつづけるのに必要となる。だが、人間はずっと不確実な状況のなかにとどまりつづけることなどできない。昔からの行動習慣や心のクセへと舞い戻る瞬間は必ずやってくる。そんなときに大きな役割を果たすのが外的報酬だ。実際、褒め言葉や昇給を得るのはいい気分だし、メリットもある。しかし、いったん状況が不確実になると、褒め言葉や昇給は力を失い、内発的な動機づけをオフにしてしまう場合もある。よって、外的報酬に着目し、内的報酬を指針にするのがいいだろう。外的報酬と内的報酬を行ったり来たりするのは、認知のリズムの好例だ。

     

    • カン医師のような偉大な頭脳の持ち主は、当たり前に見えるものさえ疑い、みずからの直感をあれこれといじくり回してみる。必然とか当たり前という言葉を口にする人は、それを変えようとすることが面倒なだけなのかもしれない。偉大な人々はそれをわかっていて、たびたび立ち止まり、脳の集中を解き、物事を別の角度から見ようとする。

    SEO

    • 検索エンジン最適化(Search Engine Optimization、SEO)」とは、ページランクでなるべく上位に来るようウェブサイトのコンテンツを構成する方法のひとつだ。SEOに力を入れれば入れるほど、関連する単語の検索で上位に表示されるので、多くの人々にサイトを訪問してもらえる(アマゾンがこれほど成功したのもSEOのおかげだろう)。
    • しかし、もうひとつ別の種類のS E Oとして、自尊心を高める「自尊心最適化(Self-Esteem Optimization、SEO)」がある。現状を維持することで自尊心を守る「自尊心維持(Self-Esteem Maintenance、SEM)」とは対照的に、SEOはあなたの人生を次の段階へと押し上げる。
    • たとえば、ジェフ・ベゾスがウォール·ストリートの仕事を辞めたとき、彼の自尊心は揺らいだだろう。彼が自尊心を守ろう、としていたら、自尊心維持のために道を引き返したかもしれない。代わりに、彼は自尊心の最適化を目指した。自分自身の欲求を認め、その欲求どおりに生きることを選んだのだ。自尊心をもっともうまく管理するには、SEMからSEOへとギアを切り替える必要がある
    • 時には、自分がSEMにはまりこんでいることに気づかないケースもある。たとえば、人生をシンプルにすれば大きな肩の荷が下り、人生を最適化している気分になるだろうが、実際にはハードルを下げてストレスをあまり感じなくてすむようにしているだけなのかもしれない。これは、セルフ・ハンディキャッピングにほかならない。だから、人生をシンプルにするかどうかで迷ったときは、むしろ「人生をもう一段階レベルアップできないだろうか?」と自問するべきだ。これこそ、SEOに必要な問いかけなのだ。ただし、脳の反発を覚悟しておかなければならない。
    • 私たちの業界では、多様な経験をしている人が少ない。だから、多くの人は結びつけるべき点を十分に持ちあわせておらず、幅広い視野に欠けた非常に直線的な問題の解決策しか思いつくことができない。人間的な経験に対する理解が幅広い人ほど、より優れたデザインをすることができるのだ。スティーブ・ジョブズ

    内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

    内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

    内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

     
    • 性格の文化が重要視されるようになると、男女を問わず儀礼の価値が壊れ始めた。男性は女性に対して形式的な訪問を重ねて自分の意思を正式に伝えるかわりに、洗練された言葉による求愛をして、「一連の」手の混んだやり取りを求められるようになった。女性と一緒にいるときに静かすぎる男性は、ホモセクシュアルだとみなされかねなかった。1926年に刊行された本には、「ホモセクシュアルの男性はおしなべて臆病で、内気で、引っ込み思案だ」と書かれている。女性もまた、礼儀正しさと大胆さの間で微妙な舵取りをするように期待された。
    • 1950年には、エール大学のアルフレッド・ウィットニー・グリスウォルド総長が、理想のエール大生は「しかめ面の専門家ではなく、円満な人間だ」とした。・・・「学生たちの推薦状を読んでいると、大学が何を望んでいるかだけでなく、4年後に企業の採用担当者がなにを望むかまで考慮するのが常識に成っているのを感じると学長は語った。『外交的で活動的なタイプが好まれる』そうだ。『つまり理想的なのは、平均して80点から85点の成績を取り、課外活動に熱心な学生』である。『抜群の成績』でも性格が内向的な学生はあまり好まれないという」
    • 磨かれたスキルとはどんなものだろうか。誰にも見破られずに嘘の自己紹介をやってのけることだろうか。声や身振り手振りやボディランゲージを効果的に使って、どんな話でも信じさせるーどんな品物でも売りつけるー方法を身に着けなければならないのか。デール・カーネギーが子供だった時代から、それらは打算的な向上心であり、どれくらい成果(よい意味ではなく)をあげたかのしるしだった。・・・デールの両親は高い道徳基準を持っていた。息子には宗教や教育の分野に進んでほしいと期待していた。そのような彼らが「真実か嘘か」と呼ばれるスキルを高く評価するとは考えにくい。その点からすれば、カーネギーがベストセラー本に書いた、他人の尊敬を得たり他人を思いのままに動かしたりするための助言についても同じことが言えるだろう。・・・私達が重要なものを犠牲にしたことに気づかずに、人格よりも性格を重んじるようになったのには、一体どういう経緯があったのだろうか?
    人を動かす 文庫版

    人を動かす 文庫版

     
    • 性格の文化の登場とともに、つまるところ、私達は利己的な理由のために、外交的な性格を築くよう促されたーこれは匿名化が進んだ競争社会で光り輝く手段の一つだ。だが、現在では、より外交的になることは成功を導くだけでなく、私達はより良い人間にすると考えられている。

    内向型でも有能なリーダーたち

    • 雄弁さが洞察力の深さと相関しているのならば、なんの問題もないが、研究によればそんな相関関係は存在しない。たとえば、こんな研究がある。二人の大学生に数学の問題を一緒に解かせ、その後各自の知性と判断力を自己評価させた。早口でしゃべり、発言回数も多い学生のほうが、自分の発言が問題を解決するうえで物静かな学生の発言よりも貢献していなくても(さらにSATの数学の点数が劣っていても)、一貫して評価が高かった。また、企業立ちあげのための戦略を各自で練った場合でも、彼らは自分の独創性や分析力を高く評価した。
    • カリフォルニア州立大学バークレー校のフィリップ・テトロックが実施した有名な実験がある。テトロックはテレビで解説する専門家たちーーかぎられた情報を元に長々としゃべることで生計を立てている人々ーーによる経済や政治の予測が当たる確率は素人の予測が当たる確率よりも低いことを、実験から発見したのだ。そのうえ、的中率がもっとも低いのは、もっとも有名で自信満々な専門家だ
      ったーー つまり、HBSの教室で生まれながらのリーダーとみなされるような人々だ。
    • ウォズニアック:これまであった発明家やエンジニアの大半は僕と似ているーー内気で自分の世界で生きている。彼らはアーティストに近い。実際、彼らの中でもとくに優れた人たちはアーティストそのものだ。そして、アーティストは単独で働くのが一番いい。一人ならば、マーケティング委員会だのなんだのに意見を挟まれることなく、自分の発明品の設計をコントロールできる。本当に革新的なものが委員会によって発明されるなんて、僕は信じていない。もし君が、発明家とアーティストの要素を持ったたぐい稀なエンジニアならば、僕は君に実行するのが難しい助言をしようーーひとりで働け。独力で作業してこそ、革新的な品物を生み出すことができる。委員会もチームも関係なく。

    高反応な子供と低反応な子供

    • ケーガンの研究チームは、子供たちに刺激を与える際に、心拍や血圧や指先の温度や、神経系のさまざまな数値の変化を測定した。それらが脳内の扁桃体と呼ばれる器官によってコントロールされると信じられているからだ。扁桃体大脳辺縁系の奥に位置し、ラットなど原始的な動物にもある原始的な脳だ。「感情脳」とも呼ばれ、食欲や性欲や恐怖といった根源的な本能の多くを司っている。
    • 扁桃体は脳内の感情スイッチの役割を担っており、外界からの刺激を受けるとそれを脳の他の部分へ伝え、神経系に指令を出す。その機能のひとつは、外界の新しいものや脅威になるものの存在ーたとえば、飛んでくるフリスビーや、シューッと音を発して威嚇するヘビーーを即座に感知して、瞬時に闘争-逃走反応の引き金を引くことだ。フリスビーが顔面を直撃しそうに見えたとき、屈んで避けなさいと命じるのは扁桃体だ。ガラガラヘビが鎌首をもたげて威嚇してきたとき、逃げなさいと指示するのも同じだ。
    • ケーガンはこんな仮説を立てたー生まれつき扁桃体が興奮しやすい乳児は外界からの刺激に対して大きく反応し、成長すると、初対面の人間に対して用心深く接するようになる。そして、この仮説は立証された。つまり、生後四カ月の乳児が刺激に対してまるでパンクロッカーのように大きく手足を握って反応したのは、外向型に生まれついたせいではなく、彼らが「高反応」であり、視覚や聴覚や嗅覚への刺激に強く反応したせいだったのだ。刺激にあまり反応しなかった乳児は内向型だからではなく、全く逆に、刺激に動じない神経系を備えているからなのだ。
    • 外向型は「社交的」で他人を思いやり、内向型は他人と触れ合うのを好まない「人間嫌い」だという説がある。しかし、ケーガンの研究では、乳児は人間に対して反応しているのではない。アルコールを含ませた綿棒に反応している(あるいは反応していない)のだ。破裂した風船に反応して手足を動かす(あるいは動かさない)のだ。高反応な赤ん坊は人間嫌いではなく、たんに刺激に敏感なのだ。
    • 内向型が外向型の好む雑音レベルで、あるいはその逆で、ゲームをすると、全く違う結果が出た。内向型は高レベルの雑音で覚醒されすぎて、単語ゲームの結果が悪くなり、5.8回で正答できたものが9.1回かかった。
    • 皮膚の電気伝導度を測定して、騒音や強い感情などの刺激に対する発汗量を調べた。その結果、好反応の内向型は発汗量が多く、低反応の外向型は少なかった。低反応の外向型は、文字どおり「皮膚が厚く」、刺激に敏感で、反応はクールだった。・・・社会的な「クール」という概念はここから来ている。・・・嘘発見器ポリグラフ)は皮膚の電気伝導度の検査とも言える。
    • 権力からセックスやお金にいたるまで、様々な報酬を求める傾向によって、外向型は性格づけられているというのだ。彼らは経済的にも政治的にも、そして快楽の点でも、内向型よりも大きな野心を抱いている。・・・外向型の人間が持つ社交性は報酬に敏感だからこその機能ということになる。人付き合いが本質的に心地いいから、外向型は社交的にふるまうわけだ。
    • 内向型が外向型よりも賢いということではない。・・・課題数が多い場合、特に時間や社会的プレッシャーや、複数の処理を同時にこなす必要があると、外向型のほうが結果がいい。外向型は多すぎる情報を処理するのが内向型よりもうまい。内向型は熟考することに認知能力を使い切ってしまうのだと、ジョセフ・ニューマンは言う。何らかの課題に取り組むとき、「100%の認知能力のうち、内向型は75%をその処理にあてるが、外向型は90%をあてる」と彼は説明する。これは、たいていの課題は目的を達成するものであるからだ。外向型は当面の目標に認知能力のほとんどを割り当て、内向型は課題の処理がどう進んでいるか監視することに認知能力を使うのだ。
    • フローを経験する鍵となるのは、行動がもたらす報酬ではなく、その行動自体を目的とすることだ。チクセントミハイはフローが起こる条件について、人間が「報酬や懲罰などを全く考えないほど社会環境から自由になったときである。そういう自律的な境地に達するには、自分で自分に報酬を与えることを学ばなければならない」
    • バフェットは過去の実績を誇りに思っているだけでなく、つねに自分の「内なるスコアカード」にしたがっていることも誇りに思っている。彼はこの世界を、自分の本能に焦点を当てる人と、周囲に流される人とに二分している。「自分であれこれ判断するのが好きなんだ」とバフェットは投資家としての人生を語る。「システィーナ礼拝堂の天井画を描いているようなものだ。『なんてすばらしい絵だろう』と褒めてもらうのはうれしい。けれど、それは自分の絵なのだから、誰かに『なぜ青ではなく、もっと赤を使わないんだ?』と言われたら、それで終わり。あくまでも自分の絵だから。彼らがなんと言おうがかまわない。絵を描くことに終わりはない。それがなによりすばらしいことのひとつだ」