学者ってのは

学者ってのは、檻の中で、サイクリングマシンのペダルを漕いでる、ラットみたいなもんだ。ますます強く早くペダルを踏むのに、1インチも前に進みやしない。しまいには、あまりにも必死に漕ぎすぎて、こりゃ死ぬなと思う。もしラッキーなら、ペダルを漕いで車輪を回しているきみの姿を、誰かが気に入ってくれて、絶好のタイミング、まさに倒れようというそのときに、檻の戸をあけてくれる。奇跡に奇跡が重なって、息ができるようになる。それだけじゃない、自転車を降りて、檻の外に出て、新鮮な空気を胸いっぱい吸い込み、何年かぶりに、外の世界をようく見ることができる。それが、終身在職権を得るってことだ。でもしばらくすると、また回れ右して、自転車に戻るんだ。前と違うのは、ずっとのんびり、じっくりしたペースで漕げるってことだけ。

エリック・エイブラハムソン

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