エンジニアの時間管理術

頭の集中
  • 集中とは、脳を特定の作業にできるだけ専念させることです。脳はさまざまな部
    分でできています。前頭部は、今考えていることを処理します(CPU や L1/L2キャッシュのような役割を果たします)。後頭部は、物事を記憶するための場所であり(RAM のような役割を果たします)、さらに後ろの部分は、長期的な知識の格
    納庫となっています(ハードディスクのような役割を果たします)。集中は、非科学的に言うところの脳の前頭部に関係しています。
  • 集中する際には、脳の前頭部を100%現在の作業に専念させようとします。これを具体的に理解するために、集中していない状態の脳がどのようなものか考えてみましょう。たとえば、ある手続きを自動化するための新しい Perl プログラムを作成することに集中しようとしているとします。ただし、1時間後に行われる会議や、今日中に済ませなければならない3つの仕事、帰宅途中に買わなければならない牛乳のことなどが頭に浮かんでくるし、今朝上司に言われたこともまだ気にかかっています。
  • 人間の脳の容量は限られています。どう捉えるかに応じて、脳は RAM またはCPUに相当します。これから処理しなければならない作業が頭の中で散乱していると、すぐに取り組むべき作業のための容量がなくなってしまいます。
  • 実際、プロジェクト A に取り組んでいるが、プロジェクトBも気がかりである、という場合には、プロジェクトBを作業リストに書き留め、それを頭の中から追い出してしまうのが一番です。そうすれば、プロジェクトAに集中することができます。作業リストにプロジェクトBが「記憶されている」ことを信頼しているので、プロジェクトBのために精神エネルギーを消耗させる必要がなくなります。
  • 作り話かもしれませんが、アルバート・アインシュタインの衣装戸棚には、同じスーツが7着(曜日ごとに1着)あったと言われています。というのも、自分の能力は物理学のために確保し、毎日何を着るかを決める日常的な作業に回さないためだそうです。スティーブ・ジョブズがいつも黒いタートルネックを着ているのも、きっと同じ理由でしょう(筆者はまったく同じ靴下を何足も持っていますが、これは洗濯をしたときに片方の靴下だけが何足も残らないようにするためです)。