ウォール街のアルゴリズム戦争

もっとフラッシュ・ボーイズな話を読みたいと思った人向け(原著はフラッシュ・ボーイズよりも先に出版されたが、マイケル・ルイス知名度も相まって、翻訳本はフラッシュ・ボーイズが先)。娯楽成分はやや失われ、比較的真面目なトーンで話が進むので、人によっては無味乾燥に感じるかもしれない。

yamanatan.hatenablog.com

  • レヴィンはスプレッドというもう一つの問題に気がついた。株価がなぜ8分の1ドル(または、しばしば4分の1ドル)で表示されるのかが、レヴィンには理解できなかった。アメリカで売られている他の品物と同様に、なぜ株の価格もペニーで表示しないのだろうか。人々はシリアルを一箱2ドル45セントで買えるのに、株はそれと同じ値段で買えなかった。
  • すべてはアメリカ大陸の征服に支えられ、スペインドルが世界通貨として浮上した18世紀に遡る。スペイン商人は支払方法として1枚のダブロン金貨を8個に割った。これがいわゆるピース・オブ・エイト銀貨である。エルナンド・コルテスやフランシスコ・ピサロのようなコンキスタドールが何世紀も前に南北アメリカの地に分け入ったことから、米国の株価は8分の1ドル刻みで取引されることになった。
  • レヴィンはその慣習が時代遅れなだけではなく、紛れもない盗みだと思った。それはスプッドの幅を作為的に広くし、マーケットメイカーやスペシャリストに過大な利益を与えていた。フォード社からムスタングを3万ドルで仕入れたディーラーがその車を3万5000ドルでしか売れないようなものだった。競争相手が同じモデルのムスタングを3万2500ドルで売りたいと思っても、ウォール街の百年ルールではそれはできなかった。

 

編集中