スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家

 人生という旅の半ばでふと気づくと、正しい道を見失い、暗い森の中にいた。ダンテ・アリギエーリ

オフィスを遊び場のようにするトレンドはグーグルが最初だが、今では感染症のようにIT業界に広がっている。ただ仕事をするだけじゃダメ、仕事は楽しくなくちゃ!

ベンチャー投資家にとって最大のリスクは、悪い馬に賭けることじゃない。よい馬に賭けるチャンスを逃すことなのだ。

起業家の多くも、投資家に負けないくらい未熟で経験不足だ。

スティーブ・ジョブズはよく「バカの爆発的増加」と呼ばれる現象について語っていた。つまり、初期の頃から会社にいる二流社員が昇進し、部署を統括するようになると、バカが社員を採用しなくちゃいけなくなる。バカはもちろん、バカを採りたがる。・・・ガイ・カワサキ「B級プレイヤーは、優越感を覚えたいからC級プレイヤーを雇う。そして、C級プレイヤーはD級プレイヤーを雇う」。

バカが問題なのは、自分がバカだと知らないこと。バカがオレって最高!と思ってしまうと、実に厄介な存在になる。まあ、見方次第ではけた外れに愉快な存在にもなれるのだが。精神科医はこれを、コーネル大学の2人の研究者にちなんで「ダニング=クルーガー効果」と呼んでいる。彼らの研究で明らかになったのは、無能な人間は自分の力不足を認識できず、自らの能力を大きく買いかぶり、本当に有能な他の人達の才能を理解できない、ということ。

ダニング=クルーガー効果 - Wikipedia

www.youtube.com

ドットコムバブルのピークにAOLが42億ドルでネットスケープを買収した時、世界中が正気を失ったような気がしたけれど、今やウーバーは民間からの出資で80億ドル以上を調達し、同社の評価額は600億ドルを超えている。・・・未だに利益を上げていないツイッターの評価額が160億ドルにのぼり、実際に車を売って利益を上げているフィアット・クライスラーとほぼ並んでいる。

前回のバブルと同じように、シリコンバレーのそれは頭のいい多くの人たちが、主張し続けている。「何もかも理にかなっているから、何の心配もいらない」「今回は別格だ。今回は、本物のビジネスをしている、本物の企業ばかりだからね」と。

「アンドリーセンホロウィッツから資金を得たら、会社の評価額が2倍にも3倍にもなる。どうしてかって?アンドリーセンホロウィッツだからさ」

ご存知のように、同社はa16zとも呼ばれている。Aと16文字とZ、というわけ。テクノロジーオタクは、こういうのが大好きだ。

言葉の暴力を振るうような上司を、これまで持ったことはない。・・・誰かに責められたり侮辱されたり、ここまで敵意を剥き出しに侮るような態度を取られたこともない。・・・心理学実験の被験者としては、興味の尽きない人物なのだ。

一つみんなが快く思わないのは、こういう企業がひどく脆いことだな。世間が思ってるよりずっと脆い。成功と失敗の差は、みんなが思うよりずっと小さいんだ。すべては、企業が自爆してしまう前に、脱出速度に達することが出来るかどうかにかかってる。

狂気のレベルがさらに引き上げられた模様だ。この3ヶ月間、私を生き地獄に放り込み、人生最悪の経験をさせたトロツキーが、そんなことあった?と言わんばかりの振る舞いをしている。

スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家

スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家