モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

行動科学者は、仕事と勉強を、「アルゴリズム」(段階的手法またはルーチンワーク)と「ヒューリスティック」(発見的方法)の2つに分類することが多い。 アルゴリズム的な仕事とは、一つの結論に至る一本の道を、実証される指示に従ってたどる類の仕事だ。ヒューリスティックな仕事は逆だ。解決にアルゴリズムが存在しないからこそ、可能性を試行錯誤して新たな解決策を考案する必要がある。・・・20世紀を通して、多くの仕事がアルゴリズムだった。・・・先進国よりも低賃金で雇用された労働者が、アルゴリズム的な仕事をこなし、正確な答えを見つけ、1万キロ離れた顧客や注文主の元へコンピュータで瞬時に送信する。だが、オフショアリングは、左脳的な型通りの仕事を奪う要因の一つにすぎない。・・・人間の代わりにコンピュータがこなすようになってきている。

モチベーション2.0の中心となる心情とは相反して、思考の明晰化と創造性の向上を意図したはずのインセンティブが、かえって思考を混乱させ、創造性を鈍らせたのだ。・・・報酬には本来、焦点を狭める性質が備わっている。解決への道筋がはっきりしている場合には、この性質は役立つ。前方を見据え、全速力で走るには有効だろう。だが、「交換条件付き」の動機付けは、ろうそくの問題のように発想が問われる課題には、全く向いていない。・・・既存の問題を解決するのではなく、新しいことを次々と応用する必要がある課題に対して、これと似たような現象が起こるようだ。

 かなり初歩的ではあってもひらめきが求められる課題では、報酬が大きいほどよい成績を修められないと分かった。けれども、その課題が機械的なスキルだけを必要とする限りにおいては、報酬は期待通りの役割を果たす。報酬が大きければ大きいほど、成績はそれに伴い上昇する。

キャノン=ブルックス「十分な給与を払わなければ、社員は会社から離れていきます。しかし、それにもまして、金銭は人に意欲を与える要因ではないのです。お金よりも重要なのは、このようにクリエイティブな人を引き付ける仕組みなのです。」 

アトラシアン - Wikipedia

3M社ウィリアム・マックナイト 

 「我々が権限と責任を委ねる人達が優秀なら、彼らは自分のやり方で仕事をしたいと望むだろう。」

科学者のアート・フライは、今ではどこでも見かけるこの付箋(ポストイット)のアイデアを、通常の業務を手掛ける時間ではなく、15%の時間に思いついた。・・・最近この方針を採用している最も有名な会社は、グーグルだろう。

ハーマンミラーで、デザイン担当部門のディレクターを数十年にわたり務めたジョージ・ネルソン・・・『自分の作ろうとするものは自分が決める』

たまにゲームを楽しむ人のために、フローの感動をもたらすゲーム(ジェノヴァ・チェン)

Welcome to Flow in Games

キャロル・ドゥエック「努力とは、人生に意味を与える諸々の事柄の一つである。努力をするということは、その対象となるものに意味があるとあなたがみなすことである。それが重要だからこそ、人はいとわずに努力するのだ。もし何にも価値を見出さなかったり、価値あるものに向けて熱心に努力しないようであれば、あなたの人生は不毛となるだろう。」

ジュリアス・アービング「プロフェッショナルとは、自分が心から愛することをするということだ。たとえどんなに気乗りがしない日であっても。」

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)