シェフ!〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜

 フランスコメディは基本的にアメリに代表される独特の空気感とエスプリの聞いたジョークが持ち味、ただ日本人が見るとどうもコメディセンスにギャップを感じるというか気持よく笑えないものが多いというのが個人的な印象である。しかし、このシェフ!は違う。主人公の料理馬鹿一代的な変人キャラは万人受けすること間違い無しで、洋の東西を問わず視聴者を抱腹絶倒に誘ってくれるだろう。分子ガストロノミーに対してはやはりフランス人の保守的な態度が表れているのも興味深い。と、このように非常にテンポとセンスの良いギャグ映画である一方、主人公の料理に対する常軌を逸したプロ根性は『プロフェッショナル』的に見ても面白い作品であるし、フランス映画に特有のおしゃれな恋愛的要素も随所に散りばめられており、隙のない仕上がりになっている。あまり知名度は高くないのかもしれないが、非常に面白い映画だった。

シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~[初回版] [DVD]

シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~[初回版] [DVD]