SPRINT 最速仕事術

 メリタ・ベンツの教訓は、「偉大なイノベーションは既存のアイデアを新しいビジョンでとらえ直したもの」ということだ。コーヒーのフィルターはそれまでも試されていたが、金網や布だった。吸い取り紙のアイデアはどこから?その辺に転がっていたのだ。

既存のアイデアの組み合わせだといって、ベンツの功績にケチをつけるつもりなんかない。むしろこのことは、発明家を目指す僕らにとって朗報だ。スプリントでは彼女を見習い、「組み換え」と「改良」に徹しよう。ただし、単なる模倣はいけない。

 僕らはスプリントの決定をできるだけ効率的にするために、何年もかけてプロセスの最適化を図った。そのせいかが、これから紹介する5段階プロセスだ。

  1. 美術館:ソリューションスケッチをマスキングテープで壁に貼り付ける。
  2. ヒートマップ:黙ってソリューションを見て回り、オモシロイと思った部分にドットシールを貼っていく。
  3. スピード品評:それぞれのソリューションの見どころをすばやく話し合い、ビッグアイデアをふせんに書き出す。
  4. 模擬投票:各自がソリューションを一つ選び、シールで投票する。
  5. スーパー投票:決定者がこれまたシールで最終決定を下す。

 アイデアを説明することには、いろんな弊害がある。感動的な主張をした人や、カリスマ性のある人の意見に流されがちだ。・・・アイデアはそれだけで完結していなくてはならないのだ。

SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法

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