Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略

  • 最近、何か失敗をしたか? 
  • 自分に異議を唱える人が身近にいるか?
  • この1週間の間に何か学んだことはあるか?それについて説明できるか?

1つでも答えがノーになるものがあったら、それは危険な兆候である。惰性で生きているということかもしれない。その状況はたしかに心地良いだろう。だが、そういうほどほどの満足に甘んじている間にも、技術は急激に進歩していく。身につけたことはあっという間に時代遅れになってしまうのだ。成長には、まず失敗を恐れない気持ちが大切だ。

私の仕事に対して責任を追うのはマネージャだが、私のキャリアに対して責任を負うのは私自身である。・・・自分自身に関して、遠い将来を見越した決定を下せるのは自分だけだ。他に誰もそれが出来る人はいない。その決定を下すのに十分な情報を持っているのは自分自身だけだからだ。

自分が成長しているかどうかを判断する基準として最も便利なのは知識だろう。個々で言う知識とは、単なる事実の記憶ではない。ただのデータとは違うということだ。その場の状況に応じ、自分ならではの方法で活かすことの出来るデータを知識と呼ぶのだ、そういう知識は必ず新しい発見を生む。頭のなかでなにか新しいものが生まれるのだ。・・・何かを創造したという経験は、生涯の財産となるだろう。

愚かな上司は、自分が全能であるかのような錯覚に陥っている。自分には、どんな問題も苦もなく解決できると信じているのだ。そうなってしまうのは、長年、道の問題、解決の困難な問題に直面しないせいだ。過去の経験を当てはめることのできない未知の問題に目を向けさせるのは部下の仕事だろう。 

上司が一時的にどれほど不可解な人物になってしまったとしても、その人が上司である事を忘れないということだ。自分よりも豊かな経験を持っていて、それを教えることの出来る人物ということである。ただ、教えてもらえるまでには少し待つ必要がある。

まずはCEOが正気なのかどうかを確かめる必要がある。・・・CEOがエンジニアたちの前に立ち、鉛を金に変えてくれと命じたのだとしたらどうだろう。その場合は迷うことはない。ニヤリと笑ってうなずき、履歴書の書き方でも考えればいい。

いつもまったく同じパターンでミーティングを繰り返す、と言うのは退屈なことかもしれない。だが、この退屈な時間をもつことがじつは重要なのだ。システムの開発は創造力を要する仕事だが、創造力を発揮するためには、物事を自由に考える時間をもつことがどうしても必要になる。・・・退屈な会議は、動き出す前の深呼吸のようなものと言ってもいいだろう。

ギークというのは、基本的にシステム思考をする人間である。この世界は非常に複雑だけれども、物事の動きは全てフローチャートでアワラスことが出来る。・・・限られた数の入力から、常に限られた数の出力が生じる。そんな風に世界を見ているのだ。

ゲームは知性の遊びと言えるが、面白いゲームには、必ず同様の特徴がある。

  1. 発見
  2. 最適化と繰り返し
  3. 達成

勝つということに関するパラドックス・・・勝つ方法がわかってしまうと面白みがなくなってしまうのだ。スリルがあるのは、アドレナリンが出るのは、見つけるまでの間である。わからなかったことが分かるようになるというのが面白いのだ。つまり、ギークの興味をいつまでもひきつけておこうとすれば、勝たせてはいけないということになる。

人間は大きく「ごく自然に歩み寄れる人」「努力すれば歩み寄れる人」「困った人」の3種類に分けられる。・・・困った人とは、何をどう工夫しても、上手くコミュニケーションできる関係になることがない。・・・一人の人間のために会社が文化を変えることは、ほぼありえない。むしろ、困った人を拒絶することで、会社は文化を守ろうとする。

ただひたすらコーディンだけをしていたい、人とはあまりかかわらず、自分の殻に閉じこもっていたい。それがエンジニアのステレオタイプだろう。そういう人が多いのは事実だ。コーディングの仕事は非常に重要である。ただ、エンジニアといえども、それだけをしていればいいのではない。

 ナードが好きなのは、物事の中に法則を見つけだすことです。法則を見つけ出し、それを利用して成果があげられるものが好きなのです。ゲームはそういうものの一つに過ぎません。

ユーモアは知的なパズルです。手元にある材料を使って、できるだけ短い時間にできるだけ面白いことを言うというパズルなのです。それ自体は面白いことではなく、ほんの些細なことである場合が多いでしょう。ナードは常に、人の言葉に耳を傾け、少しでもユーモアの材料になりそうなことを見つけると、頭をフル回転させます。そして、自分がこれまでに見たこと、聞いたことの中から、それと組み合わせられる材料を探します。そうやって、できるだけ早く、面白いことを言おうとするのです。

 ADD(注意欠陥障害)・・・ナード一人の場合はどうやって見ているでしょうか。きっと、3つくらいの番組を同時に見ているはずです。・・・そんなに次々にコンテキストを切り替えていたら、集中できないだろうと思うかもしれません。その考えは一部、正しいといえます。マルチタスクが必ずしも効率的とは限りません。ナードは複数のことを同時にするため、一つ一つについては詳しく分かっていないことがあるのです。幅広く色々なことを知っているけれど、ひとつひとつのことについてはさほど深くは知りません。ナードはそれで満足しています。詳しいことはいざとなればインターネットで調べればわかると思っているからです。

 ナードは、常に、飽くことなく新たな情報を求めています。そして、何か気分が高揚することを求めています。ナードの脳では、すごいスピードでその情報の評価が行われます。重要な情報か、そうでないかが瞬時に判定されるのです。この場合、重要というのは、ナードのその時の関心事に関係が深い、ということを意味します。

 他人は、時間と労力をかければ完全に理解できるシステムなどではありません。すべてをシステムと捉えるナードが他人と接することを苦手とするのは当然でしょう。

食事と運動をプロジェクト化することです。

あなた自身がナードのプロジェクトであるとき、あなたへの関心の向け方は大変なものでしょう。きっとそれであなたも嬉しい気持ちになるに違いありません。でも、その状態はいずれ終わります。いったんシステムの動きをすべて理解したと思うと、それでプロジェクトは終了してしまうのです。その後は、次の関心の対象を探し始めるのです。気分を高揚させてくれる材料を新たに探すわけです。・・・あなたがその、不可思議で理解しがたい一面を次々に見せ続ければ、ナードの関心を引き続けることが出来ると思います。

 ITの業界では、MBAを持ったハーバード出の若者がどこからともなくやってきて、いきなりマネージャになるということはまずない。・・・エンジニアたちが知識も技術もないアイビーリーガーの言うことなど聞かないからだ。

  • 現状に何も問題がないからと言って、それが成功につながるとは限らない。苦しまなければ、何も生まれない。
  • 人は葛藤から学ぶ。
Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略

Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略