宇宙創成

 引用ページ数はビッグバン宇宙論を参照。

(上p150)新しい理論を真面目に受け止めてもらうためには、その理論は2つの重要なテストに合格しなければならない。1つは、すでに行われている観測のすべてと合う理論的結果を出すことだ。アインシュタインの重力理論は、このテストにはすでに合格していた。なぜなら彼の理論は、なかんずく水星軌道のずれを正確にはじきだしたからである。第2のテストはいっそう厳しく、まだ行われていない観測の結果を予測しなければならない。科学者がその観測を実施できるようになり、観測結果と理論の予測とが一致すれば、理論の正しさを示す説得力のある証拠になる。ガリレオとケプラーが地球は太陽のまわりを回っていると主張したとき、第1のテスト、すなわち「惑星運動について既に知られていた事実と一致する理論的結果を出す」というテストにはすぐに合格することが出来た。だが、第二のテストに合格したのは、コペルニクスが何十年も前に理論的に予測していた金星の満ち欠けが、ガリレオによって観測された時のことだった。

第1のテストだけでは懐疑派を納得させられないのは、正しい結果が出るように理論を操作している恐れがあるからだ。一方、まだ行われていない観測と一致するように理論を操作することはできない。(省略)

アインシュタインが自分は正しく、ニュートンが間違っていることを示そうとするなら、自分の理論を使って、まだ観測されていない現象に対して確固とした予測をする必要があった。もちろんその現象は、重力が極度に強い環境下でおこるものでなければならない。さもなければニュートンアインシュタインの予測は一致し、この勝負に勝者はいなくなるからだ。

ビッグバン宇宙論 (上)

ビッグバン宇宙論 (上)

 
ビッグバン宇宙論 (下)

ビッグバン宇宙論 (下)

 
宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)

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宇宙創成〈下〉 (新潮文庫)

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