ソリストとは
- たぐいまれなる音楽の詩を感じ、それを舞台の上で性格に表現できる人。
- どんなコンディションにおいてもそれが出来る。ということは、練習、演奏会、旅における心身ともに健全さを保つことが出来る人。
- 常に音楽の中に夢を見出すことが出来る人。
- 闘牛士のような勇気があること。
- バレリーナのような繊細さがあること。
- 夜のバーを経営するマダムのような忍耐力を持っていること。
井上ひさしさんが
- むずかしいことはやさしく
- やさしいことをふかく
- ふかいことをおもしろく
- おもしろいことをまじめに
- まじめなことをゆかいに
「書く」と言っておられた。音楽もまさにそのとおりだと思う。
天才物理学者(アインシュタイン)とはいえ、ヴァイオリンが好きでもアマチュア。プロ中のプロ、ハイフェッツにかかっては曖昧な音程は許しがたい。かといって「音程が悪いですよ」という訳にはいかない。
Mr Einstein, the intonation is not a relative theory, should be an absolute pitch.
「音程は相対的ではなく、絶対的なのです」と天才が天才にアドバイス。
往年の名チェリスト、ピアティルゴスキーに生徒が言う。
「先生、どうも気分よく(comfortable)、弾けないんですけど、どうしたらいいですか?」
「comfortableになりたかったら、帰ってベッドで寝るといい」
これも近年の名言
「眠れないんですけど、どうしたらよいでしょう」
「なら、起きてれば」
審査員の1人、ボリス・クシュニールの言葉が印象に残っている。「あなたは名教師と言われてさまざまの受賞者を出していますが、どこが秘訣ですか」との問いに、「コンクールを準備するためには200%の準備が必要です。でも、何より大事なことはコンクールを終えた後、とうの生徒が幸せかどうか、そこを導くことなのです」と言っておられた。なかなか出来ないことだが、これからはそういうことも頭に入れて教えようと思う。