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スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編

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経済学者に言わせれば、価格が「高すぎる」「安すぎる」という判断は、部屋の温度が「暑すぎる」「寒すぎる」というのと同じくらいの意味しか持ちません。

「水とダイヤモンドのパラドックス」・・・これは交換価値と使用価値の区別について説明したものです。・・・経済学の視点で物の値段を語ろうとすれば、実用的な用途や価値のことは頭から追いやらなくてはなりません。

需要量は曲線上の点であり、需要は曲線全体です。

現実の政治では、あまり良くない政策だからこそ、あえて価格統制が選ばれる傾向にあります。なぜなら、政策にかかるコストが見えにくいからです。経済学者はあらゆる策のコストを検討し、トレードオフを考慮に入れます。ところが、政治家は人々の目からコストを隠そうとします。補助金を出したり税金を優遇したりすると予算の問題が出てきますが、上限価格や下限価格を決めるだけなら、見た目の上ではお金がかかりません。だから見えにくいコストに目をつぶって、安易に価格統制を選ぼうとするのです。経済学者はあらゆるコストを考慮に入れます。機会費用も含めてです。・・・経済学は、貧しい人々の敵ではありません。自由市場を絶対視して、あらゆる介入を否定するものでもありません。どのような介入が望ましいかについては、経済学者の間でも様々な意見があります。しかし、意見の対立を超えて共通しているのは、あらゆる政策について、すべてのトレードオフを考慮に入れようとする姿勢です。

リスクの度合いを測る目安として、株式投資の古典的名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』の著者バートン・マルキールが「安眠度」と呼んだものを使います。「もしもあなたのお金をそこに投資したら、どれくらい安らかに眠れるか?」と考えてみるのです。

完全競争の主な特徴は、価格受容性です。価格受容性とは、市場の価格をそのまま受け入れる性質のことです。

自然独占と言って、経済活動の中で自然に障壁が生まれてくるケースも有ります。自然独占が起こるのは、規模の経済によって既存の大きな企業が有利になるような時です。

ジョン・ヒックス「独占のいいところは、心穏やかなところだ」と皮肉を込めて述べました。競争相手がいなければ肩の力を抜くことも出来ますが、完全競争の世界では、片時も気を抜くことが出来ません。

ジョン・スチュアート・ミル「あらゆる独占とは、勤勉な人間に課税して、怠惰を助けるものである」

独占的競争は、独占よりも完全競争の方に近い状態です。独占的競争の市場では、多くの企業が「差別化」された商品で競っています。

寡占市場を見るときに気をつけ痛いのは、寡占企業同士が激しく競争して価格を引き下げているのか、それとも(暗黙のうちに)結託して価格を引き上げているのか、という点です。後者であれば、独占とほとんど変わりはありません。・・・競争市場は、極めて消費者に優しいシステムなのです。

1999年にエクソン社とモービル社という極めて大きな規模の合併が実現したのも、競争がグローバル化したためです。・・・このような巨大企業が合併するというのに、なぜ連邦取引委員会や司法省は反対しなかったのでしょうか。その理由は、世界的なエネルギー市場を視野に入れる必要があったからです。両者が合併してエクソン・モービル社となった後でも、サウジアラビアやナイジェリアなどの国営石油会社と並べてみると、独占にはほど遠い状態です。

リジン・カルテル事件・・・首謀者であるアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社の社長が語ったスローガンがはっきりと収められていました。

「競合企業は友であり、顧客は敵だ」

国際的なカルテルについては、誰がそれを裁くべきかという問題がつきまといます。・・・石油輸出国機構(OPEC)は石油価格についての協定を結んでいますが、どこの国もこれを違法として摘発できないのが現状です。

ネットワークの構築には膨大なコストがかかりますが、それさえ出来てしまえば低いコストで運用できます。そのため新規参入の敷居が高く、放っておくと独占状態になってしまいます。・・・これまでに公益事業の価格規制で最もよく使われてきたのは、総括原価方式というやり方です。総括原価方式では、生産にかかった費用に僅かな利益を上乗せして、販売価格を決定します。・・・コストがどれだけかかっても一定の利益が保証されるので、コスト削減や業務効率化が促進されません。革新的な技術を生み出そうと言うモチベーションも働きません。それどころか、総括原価方式の規制化にある企業は、コストを増大させる方向に動いていきます。・・・料金上限方式です。・・・規制当局がある一定の価格を定めて、数年間その価格を変えないという取り決めを結びます。・・・その期間は価格が一定なので、コストを削減すればするほど利益が増えます。

規制緩和にもトレードオフはあります。これらの業界に競争が取り入れられた結果、それまで規制によって守られてきた労働市場が競争にさらされることになったのです。・・しかしこれは、ある意味で当然のことといえるかもしれません。結局のところ、彼らの賃金は競争を制限することによって守られていたのであり、消費者に高い価格を押し付けることによって実現されていたのです。

利益の「専有可能性」とも呼ばれています。つまり苦労に見合うだけの報酬が得られなければ、技術革新はなかなか起こらないのです。

経済的に報われなかった発明者の典型例は、綿繰り機を発明したイーライ・ホイットニーでしょう。彼は摘みとった綿から種を選り分けるための綿繰り機を発明し、当時運用が始まったばかりの特許を無事に取得しました。ところが、綿繰り機はあまりにも便利だったため、模倣品が大量に出てきて、南部の経済を支えるのに欠かせない存在となってしまいました。裁判所は地域の経済を守るため、あえて模倣品を取り締まりませんでした。「あまりに有益すぎる発明は、発明した本人にとって無益になるようだ」

公共財には、大きく2つの特徴があります。非競合性と非排除性です。・・・一般に思考というものは非競合的な性格を持っています。・・トーマス・ジェファーソン「私の考えを受け取るものは、私の取り分を減らすことなく知識を得ることが出来る。彼の知性に灯った光は、私の明るさを少しも損なうことがない。」

政治のガバナンス

アンソニー・ダウンズ「民主主義の経済理論」

民主主義国家に暮らす大多数の市民にとって、政治的情報に自分の持てるものを投資することは合理的行動とはいえないだろう。合理的な市民は、政党間にどれだけ大きな違いがあろうとも、そのどちらを支持すべきかについてどれほど迷いがあろうとも、結局は自分の投票が選挙結果に何ら影響を及ぼさないことを知っているのだ。

多くの国民が選挙から離れている一方で、積極的に選挙を利用している集団もいます。利益団体と呼ばれる人たちです。・・・利益団体の目的は大多数の利益ではなく、自分たちに都合のいい政策を実現させることです。・・・一部の人の利益のために、多くの無関係な人たちがコストを負担することになるからです。

例えば、民間企業が全く売れないものを作っていたり、競合企業より高いコストをかけていたりしたら、経営状態は悪化します。・・・しかし、政府がまずいやり方をしていても、そのような力は働きません。政府の事業には、競争が存在しないからです。

  1. 市場は、限られた資源を配分するための非常に良く出来た仕組みである。生産性アップや技術革新、資源の節約、消費者のニーズの充足といった目的が効果的に実現され、生活水準の向上につながっていく。
  2. 市場の仕組みは、うまくいかない時もある。独占や不完全競争、公害に代表される負の外部性、技術の停滞や公共財の不足、貧困、格差、情報の非対称性による弊害、監視とコントロールの難しさなど。
  3. 政府は市場の問題を解決する上で大事な役割を負っている。しかし、政府も不完全な存在であり、問題をかえって大きくしてしまうことがある。

経済を考える上で最も大事なのは、プラグマティックになることです。理想論や先入観を排して、あくまでも実際的に考えることです。 

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