読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

研究力

 有馬朗人

一流の人と付き合うことが必要だ。ある時期に、徹底的にすごいと思う人のそばにいることも必要です。
すごい人、独創性の非常に強い人に出会うことも大切ですが、ある時期には自分が独立して自由に発想できるような場所にいることが必要です。
やはり自分が正しいと思っていることはとことんやることです。実験や理論が間違っていることに気づいたら、素直に撤回すればいいのです。しかし、自分が正しいと思い、理由をきちんと持っているのならば、どんなに世界中の研究者から非難されても、我慢して信念を貫くことです。
第一に若い時に非常に優れた独創性のある人と出会うべきだということです。独創性のある人がどうふるまうかをそばで見ることが大切です。第二に、ある時期からは完全に自分自身になること。第三に、そんなに攻撃を受けようと、自分が正しいと思ったらめげないことです。

中村修二

独創的な研究をしようと思ったら、自分だけを信じてやることです。
何でもそうですが、ヤケクソにならないとなかなか非常識なことはできません

榊裕之

踏み固められた道から少し離れて森の中に飛び込んでごらん。そこでは思わぬことに出くわすでしょう。」これはグレアム・ベルのことばで、ベル研究所の入り口に掲げてあって、江崎先生がたびたび引用されることばです。研究の醍醐味の一つは、踏み固められた道を離れるおもしろさにあります。
社会全体を見渡すと、多くの人ができることを同じように達成しても、大きな貢献にはなりにくいわけです。むしろ誰も気づいていない点に着目して、独自の寄与ができれば、社会の質を高める貢献になると思います。
流行に流されてはいけませんが、時代の潮流には大事なヒントがあるのです。
自分の考えを点検するには、他の研究者との議論が一番です。相手と気軽に議論するコミュニケーション能力は、問題の発見やテーマの設定能力、問題の解決能力と同様に、研究者にとって不可欠の技術です。
研究者によって得意技が異なります。自分の得意技がなんなのかよく見きわめて、得意な方法を使うのが一番いいのです。少々の弱点は自分の持ち味にして攻め込むと、非常にユニークなアプローチが出てくるものです。
研究論文は仲間に批判されるために書くべきものと考えています。与謝野晶子は(昔から人類の築いてきた知の)「殿堂に我も黄金の釘を打ちなむ」を詠んでいますが、科学の世界はそういう構造がはっきりしています。

岸本忠三

一回限りの人生ですから、何でもやってみるべきです。軸足さえぶれていなければ、何でもやるのはいいことだと思っています。後に「あの人は何々を研究していた人です」とはっきり言われるような研究を続けていくべきです。
継続こそ創造力を生み出す源泉なのです。
どれだけ幅広く知っているかということが、どれだけ自分の専門を強くできるかということにもつながるのです。どれだけたくさんインプットしたかによって、創造的なものがどれだけててくるかが決まるのです。
楽観主義で、かつ元気で協調性のあることが、研究者の資質として必要だと私は思っています。しゃべるのや話し合うのが好きな人は研究者に向いているのです。ディスカッションは独創的なアイデアの源泉なのです。
批判されることも非常に大事なことです。
泥臭い、まだ流行していないところに大きな獲物があるかもしれないと私はいつも思っています。
どれが本物の研究かという違いを知らないといけません。一流を見る、知るということは、自分自身を高める上でとても重要なのです。
世の中で研究者がなんやかやと言いだしたときには、ほかのテーマを考えないといけません。ちょっと遅れて後追いをするなということです。他の研究者よりも先に研究するということが、研究者にとっては大事なのです。
関係のないテーマに飛んではいけません。自分のよりどころから離れて違うことをしても、広いサイエンスの世界には必ず専門家がいますから太刀打ちできないのです。自分の研究の糸をつなぎながら、新しいテーマへと糸をつないでいくという形で、次々と新しい陣地を広げていく。補給路をつなぎながら新しい陣地に攻め込んでいくといった方法をとらないとやられてしまいます。しかも現場を離れると、あっという間に研究者はダメになります。

佐藤勝彦

研究者は学問に対する興味がまず基本ですが、「アマチュアが興味を持って本を読むのとはわけが違う」とプロ意識を持って頑張ることがいちばん大事です。
インフレーション理論や宇宙の多重発生の理論のように、奇想天外なアイデアと思われようとも、新しいパラダイムになるようなモデルや理論を提起することが理論屋の役割なのです。理論研究で最も重要なことは、オリジナルなアイデアを出すことです。
物理の分野は歴史がありますから、学部の4年間は物理学の基本をしっかり学び、身につけることがまず大切です。基礎なくして研究は出来ません。同時に大切なことは、モチベーションをきちんと保つ。一般相対性理論はリーマン幾何学など数学の基礎がないと理解できませんから、モチベーションが弱くなると耐えられなくなります。学部の時に色々な解説書やおもしろいと持ったことをしっかり読むことが必要です。
理論系の研究方法は、基本的にはディスカッションです。もちろん自分だけで考えるのがいちばん大切ですが、ディスカッションが命なのです。数値計算やシミュレーションも重要ですが、それに溺れてしまうと、オリジナルなアイデアは出てきません。
こういうことを知ったといううのではなく、いま何がわかっていないのか、どうすればそれが分かるのかを考える―これが研究を進める上で一番大切なことです。
結局は苦しみぬくことに尽きます。それでも解けないことが多々あるわけですが、その時は何が分からなかったのか、きちんと頭の中を整理して残しておくことが大切です。
おもしろいと思ったら徹底して研究する。
プロとしての自覚を持つ。税金を使わせてもらうだけの価値のあることをするという覚悟が必要です。研究者の世界は競争の激しい社会です。だからこそ学問は進歩するのです。
自分で苦しむこと。すぐれたアイデアやひらめきは、自分で自分を追いつめて血のにじみでるような論理を詰めた苦しさがあって初めて出てくるのです。
最初のオリジナルな論文を書く。
はやりのことばかりやるな。おれは違った見方で研究しているんだというチャレンジ精神、反骨精神があっていいと思うのです。

「他人の論文の改良版ばかり考えるな」

プレぜーテーションするときには何がいちばんおもしろいか、すばらしいかを中心に据えて発表することが大切です。発表するときには欠点を話してはダメです。論文の欠点は後でしっかり考えることであって、書いている論文にはいいことをしっかりプレゼントする。

阿部博之

結果が世の中に非常に大きなインパクトを与えるテーマであること。
研究と言うのはほとんどが失敗の連続です。失敗の連続にもへこたれずに立ち向かっていく力こそが成功に導く真の研究力です。
はやりでないこと、ほかの研究者のやらないことに意義を見出す力、これこそ研究者にとって不可欠の力です。

軽部征夫

独創的なアイデアを生み出す秘訣は、まず非常識と思われることにチャレンジするということが第一。独創はオンリーワンと言うことです。第二に、普段から関連する知識を集め、集めた知識をいつでも使えるように加工して頭の中にしまっておく。第三に、アイデアの出し癖をつける。第四に、出たアイデアを客観的に自分で評価し、また人に見てもらってブラッシュアップする。
あらゆる機会をとらえて自分の仕事を売り込め。あらゆる助成や申し込みにいまずチャレンジしてみることです。

久間和生

大学・大学院の学生時代に幅広く勉強して自分の得意な分野を築くことは、研究者にとって本当に大事なことです。
留学のチャンスを与えられた若手研究者は、その機会を研究と勉強に専念してほしいと思います。

横山茂之

大学は古い学問体系を積み上げ、維持し、次世代に伝える責任があります。ただ、気をつけないと受け継いだ研究をそのまま守ることになってしまいます。守るのは学問体系や教育だけで充分です。研究というのは、次にくるものを模索することなのです。たとえ10回のうち9回失敗しても大きなことをやりたいという人は、大学のほうが向いているかもしれません。
みんなで協力して研究していくライフサイエンスの時代になっても、自分自身を見失わない、自分の個性を出すことが必要です。(略)他の研究者と違うということは、自分なりの全体像をとらえて、なおかつ自分がここにいなくてはいけない存在理由を考えることなのです。そのためにはまわりの研究者とコミュニケートしなくてはいけません。マジョリティーといっしょに行動するのではなく、自分がマジョリティーを引っ張るつもりでやるのです。
たくさんの情報をどうやって切り崩すか、これがサイエンスの課題であり、楽しみであります。
新しい視点で古い学問を振り返ることが大事です。当時の研究者に見えなかったものが見えるはずです。それが本当の温故知新だと思います。

研究力

研究力

 

 

広告を非表示にする