中年英語組

 mustを使う場合、語り手の個人的な感情が入っていると受け取られる。一方、have toは単なる事実を述べる場合に使うこととされている。

アメリカに行った最初の頃、恥ずかしい思いをしたことがある。大学のカフェテリアで本を読んでいたとき、見知らぬ女子学生にDo you have the time?と聞かれて、一瞬ドギマギしてしまった。Do you have time?と声をかけられたのかと誤解したのだ。彼女が私の腕時計を指さしながら、Do you have the time?ともう一度聞いてくれたので、時間を聞いているのだと分かった。timeの前に、theが入ると時間を聞くことになるし、theがなければ、「ちょっと時間はありませんか?ちょっと付き合いませんか?」という意味になるのである。

文法を意識して話す姿勢は評価される。・・相手のアメリカ人からすると、「こいつの英語は下手で何をしゃべっているかよくわからないが、文法を意識している様子だから、母国では一応自分と同じインテリに属する人間らしい」との判断ができるからである。

質問した生徒に2,3回言い直させるのだ
3回も聞けば、さすがのShuheiもなにか単語の1つや2つは分かるだろう。その単語に反応すればよい。

  • You hit a good point! However, you should explain your question more academically.
  • OK. Better. But you should digest your points more briefly for the other students in this class.

 

論文を書くにあたって、subject(主題)を選び、その中からtopic(テーマ)を絞りこまなければならない。・・大切なことは論文を書くpurpose(目的)をはっきりさせることである。・・4種類のthesis statementの書き方を示してくれる。

  1. 疑問を投げかける方法(Question)
  2. 証明を求める方法(Prove)
  3. 2つ以上のものを比較して問題提起を剃る方法(Contrast)
  4. 主題に関しての要約を書く方法(Summary)

まず、最初に結論を書きなさい。そして、その理由を3つ書きなさい。それぞれの理由の中に、具体的な例示や補強材料を3つ入れなさい。最後に、結論をもう一度書きなさい。ただし、最初に書いた文章と異なる表現を使い、要約することが必要です。

アメリカで起業する人にはとんでもない有利な環境があるということである。もちろん、自己責任の原則が貫徹されるという前提だが、技術力や、斬新なアイデアを持っていれば、お金ばかりか会計の専門家も、経営の専門家もつけてくれて、手取り足取り企業を助けてくれる。・・「大企業をやめて、起業する」といった瞬間に、家族も恋人も「それはすごい!ぜひやりなさい」と拍手する風土がある。仮に失敗しても、勤めていた会社のライバル企業がいつでも雇ってくれる。経験が評価され、給料も条件も良くなるケースが多い。

個人の価値観や人生設計を、これまでのような融通の効かない「単線型」から、自己責任の原則に則り、多様な選択肢を前提にした「複線型」に切り替えなければならない。

中年英語組―プリンストン大学のにわか教授 (集英社新書)